串本のロケットに期待 和歌山県経済団体連が賀礼会
和歌山県内経済5団体でつくる県経済団体連合会の新春賀礼会が8日、和歌山市のホテルであった。代表してあいさつした県商工会連合会の植田英明会長は、県内企業の経営環境が厳しい一方、串本町でのロケット打ち上げが経済活性化の起爆剤となるとして「今年こそ、成功を期待したい」と力を込めた。 【打ち上げ後、飛行中断 衛星の軌道投入ならず、和歌山県串本のロケットの動画はこちら】 県経済団体連合会は、県商工会連合会、県中小企業団体中央会(玉置篤会長)、県商工会議所連合会(竹田純久会長)、県経営者協会(田中俊一会長)、和歌山経済同友会(田谷節朗代表幹事、原口裕之代表幹事)で構成。賀礼会には、企業の代表や国会議員、岸本周平知事ら約380人が出席した。昨年は能登半島地震の発生を受けて取りやめた鏡開きも、経済5団体の代表6人によって行われた。 県商工会連合会の植田会長はあいさつで、原材料やエネルギー価格の高騰▽慢性的な人手不足▽最低賃金の引き上げに伴う人件費増加分を価格転嫁できない―など「県内企業の経営環境は厳しさを増している」として、国によるさまざまな支援策を中小・小規模事業者に着実に届けたいと強調した。 一方、今年、特に期待することとして、串本町での小型ロケット「カイロス」の打ち上げ成功を挙げ「実現すれば、宇宙関連企業の集積となり、紀南のみならず県経済にとって、将来にわたり活性化の起爆剤となる」と述べた。今年開催の大阪・関西万博についても「本県をアピールする絶好の機会。万博の成功に向け、協力を一層強化し、地域経済の活性化に貢献したい」と力を込めた。 岸本知事は「国際情勢は非常に厳しく、不安定で何が起こるか分からないが、金利が高くてもリスクを取って投資をする企業、もうけて従業員の賃金を上げられる企業が発展していく。カイロスもあと2、3回もやれば飛ぶと思うので大丈夫。皆さまと一緒に明るい年にしたい」と話した。 県内選出の国会議員もあいさつした。
紀伊民報