12月21日の冬至に「ん」のつく食べ物を食べる理由…12月の代表的な行事【ビジネスマナー常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#92 12月の行事編 ◇ ◇ ◇ 【初回】メールで好印象を与える「4つのポイント」言葉の選び方で誤解を招くことも 12月の異称は「師走」。一年の終わりは誰もが忙しく、僧侶(師)でさえもお経をあげるために駆け回ることから、この名がついたとされています。 今回は、師走の代表的な行事をご紹介します。 ■事始め(ことはじめ、13日) 「事始め」とは、お正月の準備を始める日のことです。昔、この日に「すす払い」を行い、歳神様をお迎えするために家中を掃除しました。 「すす」とは、まきを燃やした際に出る煙やほこりが天井や梁にたまった汚れのこと。まきを使う暮らしでは、この「すす」を払う必要がありました。現在でも、神社やお寺では12月に「すす払い」の行事が行われます。 ■冬至(21日) 冬至は、一年で最も夜が長く、昼が最も短い日です。この日を境に日照時間が長くなることから「一陽来復」とも呼ばれ、おめでたい大切な日とされています。「一陽来復」には、陰がきわまって陽がかえってくるという意味があります。 ▽ゆず湯 冬至には「ゆず湯」に入る習慣があります。ゆずの黄色は魔よけの色とされ、ゆず湯につかることで邪気をはらうといわれています。また、ゆずの成分により血行が促進され、風邪予防の効果も期待できます。 さらに、冬至を「湯治(温泉療養)」に、ゆずを「融通が利く」にかけた語呂合わせも、この習慣の由来とされています。 ▽「ん」のつく食べ物 冬至には、「ん」のつく食べ物を食べると「運」を呼び込み、幸運につながるといわれています。具体的には、カボチャ(南瓜)、レンコン、にんじん、ぎんなん、かんてん、きんかん、うどんなどがあります。 ■大晦日(31日) 一年の最後の日である「大晦日」は、新年を迎えるための特別な日です。 ▽年越しそば 大晦日に年越しそばを食べる習慣は、江戸時代に始まったとされています。年越しそばの由来は、細く長いそばが「長寿」を象徴するという説。金銀細工師が散らばった金粉を、そば粉を練ったもので集めたことから、「そばは金を集める」として縁起をかついだとする説があります。 ▽除夜の鐘 「除夜」とは大晦日の夜をさします。「除」には「古いものを除き、新しいものを迎える」という意味があり、この日に各地の寺院で108回つく鐘を「除夜の鐘」と呼びます。108回つく理由には諸説ありますが、煩悩の数に由来する説が有力です。本来のしきたりでは、年内に107回、年明けに最後の1回をつきます。 (金森たかこ/マナー講師)