『ねこのガーフィールド 』はカートゥン世代にこそ刺さる “らしさ”が詰まった伏線回収劇
本業声優でないからこそ出せる“掛け合いのテンポ感”
コメディ色の強い本作の魅力の一つは、本業が声優でないキャストたちの貢献にある。字幕版を鑑賞した際に、ガーフィールド役のクリス・プラットとヴィック役のサミュエル・L・ジャクソンの掛け合いのテンポとアドリブの妙が抜群で、まるで洋画の豪華なキャスティングを楽しんでいるかのような感動を覚えた。特にクリス・プラットは、2023年の北米映画市場を席巻した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でのマリオ役でも知られており、そのためか、今回もアイコン的なキャラクターであるガーフィールドに対する彼のハマりっぷりが絶妙で、物語の魅力をより一層引き出していたのが印象的だった。 映画の公式チャンネルがあげている「クリス・プラット、ガーフィールドになる!」という何とも不思議な動画企画では、「僕はなりきりすぎた」とクリスが役作りについて語る様子も確認できる。映像では、「半年はミャオしか言ってない」とジョークを入れつつ、「ガーフィールドは話せるとあとで知った」としっかりオチを付けるトークセンスからも、まさにガーフィールドの理想的なキャスティングだったとわかる。 ちなみに日本語吹替版では、ガーフィールド役を山里亮太(南海キャンディーズ)、ヴィック役を『X-MEN』のローガン/ウルヴァリン役の吹き替えで知られる山路和弘が務めている。山里が唯一無二の声を持っていることは周知の事実だが、実は主役を務めるのは今回が初とのこと。加えて、ガーフィールドたちの生活を脅かす存在となる、ボスねこ・ジンクス役をMEGUMIが担当していたりと、吹き替え版の掛け合いも見逃せない。 観終えたあとには、ガーフィールドのいい食べっぷりに思わずお腹が空いてしまう本作。ぜひ美味しいポップコーンを片手に、涼しい映画館で思いっきり楽しんでいただきたい。
佐藤アーシャマリア