日本製鉄やホンダも戦々恐々、米国の「トランプ復権」で日本企業に大試練
● 日本企業にプラスとマイナスの影響 トランプリスクで優勝劣敗が加速も 「多くの日本企業にとっては先行きが読みづらい」。ある製造業大手首脳は、トランプ政権発足の影響をそう強調する。同首脳の見立てによると、トランプ政権発足で、米国投資の拡大などを背景に米国の景気は堅調に推移し、世界経済をけん引する。これは日本経済にとってもプラス材料だが、その一方で、買収阻止や関税などの影響によるマイナス材料も顕在化してくるとみる。 日本企業にとっては、国内ではインフレや資源高、人手不足などの問題に直面してきたが、さらにトランプ氏の再選で、今まで以上に地政学リスクにも気を配る必要がある。 ここ数年、日本企業の業績は好調を維持してきた。東京証券取引所が2080社を対象にした実施した集計によると、24年3月期の上場企業の売上収益と最終利益はともに過去最高となり、3期連続で増収増益となった。新型コロナ禍の終息に加え、円安などを背景に今期も企業業績は堅調に推移している。 ただし、今後の経営環境はトランプリスクもオンされ、先行きは不透明さを増していきそうだ。勝ち組と負け組がより一層鮮明になることは間違いない。
ダイヤモンド編集部/名古屋和希