【中高年はコンビニ好き】コンビニの客層、20年で若者客が減り50代以上が急増 店員は「中高年は買うものがなくても来る」、客は「学生の頃から通っていて違和感ない」
50代女性、惣菜少量化も「ちょうどいい」
Bさん(神奈川県/50代女性)は、夫と離婚して一人暮らし。自宅から徒歩4分の場所にあるコンビニは、「生活に欠かせない場所」と語る。 「地元の商店街は廃れていますし、少し足を伸ばせば大型のスーパーもあるけど、広くて疲れる。銀行も統廃合で支店がなくなりましたが、コンビニにATMがあれば問題は解決。生活に必要なものが1か所に集約されていて、本当に重宝しています」 Bさんは「少量パックの惣菜は、一人暮らしをしている中高年に最適」と言う。 「コンビニのご飯というと、一人暮らしの若者とか、働く会社員のランチみたいなボリューミーなイメージもありうですが、意外に一人暮らしで重宝すると思います。私も洗い物が出るのがイヤだし、一人分を料理したくないので、食事はもっぱらコンビニで買います。大学生の頃からコンビニにはお世話になっていたので、何の違和感もありません。しかも最近は小さなサイズの惣菜がたくさんあって、どれも美味しいですよ。一食サイズのうどんやおそばも茹でなくていいから便利です」 そんなBさんにとって、コンビニは「トレンドを知る場所」でもあるのだという。 「定期的に新商品をチェックするのが楽しいです。毎日の生活に、ちょっとした刺激という感じですね。子供や甥、姪たちとコンビニトークをして、『そんなものまで知ってるの!?』と言われるのも楽しいですよ」(Aさん)
「セルフレジが苦手」という意外な理由
コンビニを「コミュニケーションが取れる場所」だと考えている中高年もいる。Cさん(神奈川県/60代男性)は、妻が入院してから一人で過ごす時間が増えたことで、イートイン付きのコンビニに行くようになったという。 「一日中、誰とも話さないのはよくないと思った時に、出かける先がコンビニしか思い当たりませんでした。店員さんと『ありがとう』とか、挨拶だけでもいいんです。スーパーよりもコンビニの方が気軽です。朝行ってコーヒーを買って、イートインで一杯飲んで帰るのが習慣になりました」 そんなCさんは、「セルフレジは苦手」と寂しそうな顔をする。 「操作は問題なくできますよ。でも、機械相手ばかりになると、ボケちゃいそうで……。なんでも機械が教えてくれるけど、冷たい感じがするのは好きじゃないです」(Cさん) コンビニはこのまま中高年の憩いの場になっていくのか。(了)