鈴鹿央士“左右馬”の笑顔が最高…大どんでん返しが無いミステリー『嘘解きレトリック』の醍醐味とは? 第2話考察レビュー
他人は変えられないけれど、自分は変えることができる
「相談してくれればよかったのに」と言われたとき、耕吉は「そんな情けをかけてもらうのは…」と返していたが、どちらにせよ8300円はもらおうとしていたわけで。 どうせもらうのなら、誘拐事件もどきを起こして、幸弘の心身に負担をかけるより、すべてを話した方が、耕吉的にもよかったのではないだろうか。正直、わたしが幸弘の立場なら、「もう、こんな奴は信用ならん!」となってしまっていたと思う。 しかし、幸弘は耕吉を責めることはしなかった。「耕吉が本心を言えない関係を作ってしまったのかもしれない」と反省をして、自分の態度を改めようとしていた。 他人を恨んだりするのではなく、まずは自分がどうすればよかったのか? を考える。なぜなら、他人は変えられないけれど、自分は変えることができるから。 たしかに、「あいつのせいで…」と誰かを責め続けるより、「自分を改めていこう」と思える方が、人生は好転していくはずだ。この事件を通して、幸弘に大切なことを教えてもらったような気がする。 【著者プロフィール:菜本かな】 メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
菜本かな