気象情報をどう生かすか 福祉専門職60人が福知山市防災センターで防災研修
京都府福知山市はこのほど、東羽合の市防災センターで、福祉専門職を対象にした防災力向上研修会を開いた。市内で勤務するケアマネージャー、相談支援専門員ら約60人が参加。気象庁京都地方気象台の職員から気象情報の収集方法を学び、台風接近時を想定して情報の活用手段を考えた。 福祉専門職が避難に関わる知識を身に付けることで、災害発生時に自力避難が難しい障害のある人、高齢者ら「避難行動要支援者」への適切な支援、要支援者を対象にした個別避難計画の作成に必要な実践力の向上につなげようと企画した。 同気象台では、災害発生前に要支援者へ適切な初動対応ができるよう、知識の普及啓発を目的に今年4月に要配慮者対策係を設置しており、同係の職員らが講師として訪れた。府内での福祉職を対象とした研修は初めて。 初めに、同気象台の山田和広気象情報官が、気象庁が一般に発表する情報、5段階の警戒レベルなどを紹介。「避難が必要な情報が出ている時には、支援が必要な当事者だけでなく自分自身も守ってください」などと伝えた。 このあと、少人数でのワークショップに移り、昨年8月に発生し、大江町などで被害が出た台風7号接近時の雨雲レーダー、気象庁による危険度分布「キキクル」、各種警戒情報をもとに、そこから読み取れることや今後の予測、どういった行動が必要か-を話し合った。 グループごとの発表もあり、「今後、雨量が多くなることが予測されるため、避難の準備ができているか確認が必要と感じた」「夜中の短時間での出来事で、避難ができるかを考えると答えが出しづらい」といった意見があり、同気象台職員が「ぜひ、気象庁からの情報を有効活用してください。避難に関しては、家の中での避難という考え方もあり、参考にしてほしい」などと伝えた。 研修に参加した市の地域包括支援センター職員は「気象庁からの情報の読み取り方が分かりました。これからの情報取得に生かしていきたい」と話した。