電気代が安い「暖房器具」って何ですか? FPが主な暖房器具の電気代を比較して回答
一番電気代がかかる暖房器具は?
6つの暖房器具の1時間当たりの電気代が分かったので、ランキングにまとめてみました(表参照)。 暖房器具の温度設定や強弱によって消費電力は変わってきますので、使い方によってはこのランキングとは違う結果になると思いますが、大まかな傾向はつかめるでしょう。エアコンは、比較的電気代がかからない暖房器具であることが分かります。 それぞれの暖房器具には得意・不得意があります。部屋全体を暖めるのは不向きでも、ピンポイントですぐに暖められるものは、一時的な使用や、洗面所などの狭い場所に置くのに適しています。 エアコンは部屋が暖まるまで時間がかかりますが、リビングなど広めな部屋の長時間の利用に適しています。 このように、その暖房器具が得意とする場所で使う「適材適所」を心がけることが節約につながります。
エアコン(暖房)の節約ポイント
資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」に、外気温度6度の時、エアコンの暖房設定温度を21~20度にすると、年間で約1650円の電気代が節約できるという試算があります(出典:資源エネルギー庁)。1度程度でも温度設定を低くできれば節約できるということです。 設定温度をなるべく低くして使うには、暖房器具を組み合わせるとよいでしょう。エアコンなどの部屋全体を暖めるものは、足元が寒くなりがちなので、エアコンとこたつ、エアコンとホットカーペットという使い方が有効です。組み合わせることで、エアコンの温度設定を低くでき、ある程度部屋が暖まったらエアコンを切ることができるでしょう。
暖房費節約の5つのコツ
最後に、暖房費を節約するためのコツを紹介します。上手に暖房を使って、光熱費を節約しましょう。 フィルターをこまめに掃除する 先述の資源エネルギー庁のサイトで、フィルターが目詰りしているエアコンと、フィルターを清掃した場合の電気代を比較しています。フィルターを掃除すると年間で31.95kWhの省エネとなり、約990円電気代を節約できます。月に1、2回フィルターの掃除をするとよいでしょう。 エアコンは床から暖める 冷たい空気は部屋の下の方にたまりやすく、温かい空気は天井付近にたまりやすいという性質があるため、部屋全体を暖めるには「風向きの設定を下」にするとよいでしょう。下に向かって出た暖かい空気は自然と上に上がっていくので、結果部屋全体を暖めることができます。 サーキュレーターを使う エアコンの風向きを下にしても、室内の温度ムラが出てくる場合があります。その場合は、サーキュレーターで空気を循環させるとよいでしょう。暖房の場合は、エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、上向きに風を送ると、天井付近にたまった暖かい空気が循環して温度ムラをなくすことができます。 なお、サーキュレーターの消費電力(28W)は、1時間当たり約0.87円とわずかです。 外気温が3度より低い場合はつけっぱなしにする エアコンの電気代は、外気温が3度よりも低い場合は、つけっぱなし運転がお得で、3度以上の場合は、こまめに消す運転がお得であるとのシミュレーション結果(※)があります。 エアコンは、運転開始が一番電力を消費するため、「つけっぱなしがいい」という認識はだいぶ広まってきています。しかしこれは外気温が低い場合の話であり、東京の場合は、ここ数年冬場の平均気温が3度を下回ることはないので、こまめに消す運転の方がお得なケースが多いといえるでしょう。 厚手のカーテンに変える 暖気は窓から逃げていくため、カーテンを閉めて保温しましょう。その際、床まで届くタイプのカーテンや厚手のカーテンに変えると保温効果が高まります。カーテン以外にも、窓に断熱シートやプチプチ(気泡緩衝材)を貼れば、暖房効果を上げることができます。
Fav-Log by ITmedia