「椿発言」と僕の主義主張は違う 番組打ち切りに「僕があまりにも傲慢になっていた」 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<25>
あのとき、筑紫(ちくし)さん(※哲也氏、TBS系『筑紫哲也NEWS23』の司会者)が「きょうTBSは死んだに等しい…」と発言しましたよね。僕は彼と親しかったけど、まったく正しいことを言ったと思います。
あの問題が公権力(政府)が放送に介入するきっかけをつくってしまった、って? 何度もいうけど、テレビは免許事業。常に公権力は介入してくる可能性がある。いざそうなったときに、どうやってケンカする(闘う)かが大事なんですから。
《テレビジャーナリズムを長らく背負ってきた田原さん。番組が、思いがけず「打ち切り」になって挫折を味わったこともある》
ショックでしたねぇ。局内の事情もあったのだと思うけれど、ひとつの理由は僕があまりにも傲慢になっていたこと。「(番組の放送日に)政治が変わる」なんて言われていい気になっていた。気に入らないことがあったら「(番組に)出ない」とゴネたりね。今は反省しきりです。(聞き手 喜多由浩)