読書よりもYouTube…重度の不眠症に悩む大藪春彦賞作家が直面する「金詰りの暮らしの不安」【「鶯谷」第二十六話#2】
前編記事【寸暇を惜しんで読書に勤しんだ大藪春彦賞作家が本を読めなくなった背景にある「寄る年波」】より続きます。 【写真】「その格好で読書...?」スペインの超有名女優クララ・ガレの「休日の姿」
漫画も読書
多くの方は就眠前に読書をしているとお考えだろうが、違うのだ。 YouTubeを観ているのだ。 2時間近く観ながら寝落ちする。 お気に入りの番組はいくつかあるが、これではいけないと考えた。 読書は作家である自分の必須事項だ。 自宅にも仕事場にも多くの図書がある。 YouTubeの視聴は続けているが、それにも飽きてきている。 長尺の動画は観られない。 それよりなにより、このままではいけないと考えた。 読書をしなくては、と考えて手に取ったのは漫画だった。 ガッカリしないで頂きたい。 これは私にとって、ある意味でリハビリなのだ。 受動的に情報を摂取するより、能動的に摂取しようという気持ちで漫画を読み始めたのだ。 できる限り文字数の多い漫画を選んで読んでいる。 漫画誌ではない。 一冊の本になっている漫画を読んでいるのだ。 もちろん私にそれを買う金などない。 以前買ったまま、捨て忘れていた漫画本を繰り返し読んでいるのだ。 読み始めて分かったことがある。
就眠時にはYouTube
寝落ちができない。 YouTubeなら手が空いているので寝落ちもできるが、本は(たとえ漫画本であろうとも)、いったん閉じて安息にする必要がある。 極度な睡眠障害である私にはそれができない。 金詰りの暮らしの不安が、私の睡眠障害をより深刻にしているのだ。 漫画本を読んだ後では睡眠薬さえ効かない。 目を閉じるとあれやこれやを思い出す。 思い出すというか脳内をグルグルする。 動悸が激しくなる。 息をするのも辛くなる。 結局就眠時にはYouTubeに頼る私なのだ。 適度な刺激があれば、眠れるのである。 朝食の習慣を改めた。 以前は亀戸の自宅近くの牛丼屋で朝定食を食べていたのだが、浅草の名代富士そばの朝そばを食べるようになった。 出勤時間から始発電車までにはそれほどの余裕はない。 (だったら出勤時間を早くすればいいでしょ。どうせもっと早い時間に目を覚ましているんだから) そう思われるだろうが違うのだ。
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