ADASの価格

　自動車メーカー各社が提供するADASの価格について紹介しよう。いずれも、ADAS単体での価格は公表されていないものの、各モデルやオプション構成などから推測した価格である。 ・日産自動車の「プロパイロット2.0」は、約30万円 スバルの自動運転レベル2に該当する「アイサイトX」は、約20万円。 ホンダが開発した世界初の自動運転レベル3車両「レジェンド」に搭載された「Honda SENSING Elite」は375万円。 　「イノベションリサーチ自動車産業2040」（日経BP）では、現在のベーシックなADAS価格を10万円程度とした上で、2025年におけるADASの価格を以下のように予測している。 ・簡易な高精度3次元地図を内蔵し、制御精度を高めたADAS価格は約10万円で提供される。 「プロパイロット2.0」相当のADASが約20万円で提供される。 「一般公道における車線変更支援」や「青信号における右左折支援」を実現する上位ADASは約30万円で提供される。 　ADASの低価格化には、ADASを支えるカメラ、LiDAR（ライダー）、レーダーなど、各種センサーの普及による低価格化に加え、センサーが収集した各種データを処理するソフトウェア側の進化も貢献する。 　「Honda SENSING Elite」を備える「レジェンド」には、単眼カメラ2台、LiDAR5個、ミリ波レーダー5個の計12個のデバイスが搭載されていた。しかし、「Honda SENSING Elite」の下位ADASであったはずの「Honda SENSING360」の次世代モデルでは、単眼カメラ1台、ミリ波レーダー5個の計6個のデバイスで、「Honda SENSING Elite」と同等の機能を実現するという。 　センサー搭載数は、ADASの価格に直結する。ADASの普及と技術進化がADASの低価格化を実現し、さらなるADASの普及（≒ADAS搭載モデルの増加）を促すのは間違いがないだろう。