“居心地のいい空間を作る努力”が生んだ、京都の中華料理店
「The Tabelog Award 2024」 受賞店インタビュー
「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2024」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」「Chefs' Gold」が決定した。
受賞店数は456店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?
Best New Entry受賞「廣澤」廣澤将也氏
「Best New Entry」を受賞した京都・烏丸にある「廣澤」。店主の廣澤将也氏は独立するにあたって、お店は「自己表現の場」と思い、店名に自分の名前を付けたという。目標としているのは「ストレスのない空間で食事をしていただく」ということ。雰囲気や物音に気を遣い、居心地の良さを大切にしているそう。
自分の手に合う調理道具
思い入れのある道具は「お玉とヘラ」だ。中華鍋を使って料理するときには欠かせないものとのこと。
「10年くらい前に香港に半年ほど修業に行き、そのときに買った調理器具です。基本的には機械で打って作られるものですが、
そのお玉とヘラは手打ちのものなんです。鍋の形状に合わせて作られていて、自分の手にしっくりきます。香港で作っていた方が亡くなっているので、今はもう手に入らないもの。それをもう10年ぐらい使っています」
叉焼専用の窯で焼くこだわり
店を代表する料理は「叉焼」だ。自分の表現したいものが一番表れる料理だという。「カリッとしている表面と、ジューシーさを味わってもらいたい。肉の味や香りを感じていただけるように、その時の感覚によって料理は変わりますが、いろんな叉焼を楽しめると思います」
「蓮香」と「蓮心」で働いていた時も、叉焼専用の窯を作っていた。その時から毎月コースは変更しているが、叉焼だけは必ず出しているという。