飛行機内で「CAにセクハラするおっさん」を全滅すべき根本理由
乗客の意識改革
乗客への働きかけも重要だ。日本では、サービス従事者に対するセクハラ意識が低い傾向があり、ときには自覚がない場合もある。 そのため、乗客にはどのような行動がセクハラに当たるのかを明確に認識してもらう必要がある。セクハラは重大な犯罪行為であり、個人の尊厳を深く傷つける人権問題であることを理解してもらうべきだ。 乗組員や乗客は、セクハラを目撃したら「声を上げる」ことが重要である。セクハラを受けた当事者は、恐怖や羞恥心から声を上げられない傾向がある。そのため、周囲で目撃したら、ためらわずに「声を上げる」べきであることを知らせるのが重要である。声を上げられない場合は、「周りの人に話す」「CAに相談する」ことを勧めるべきだ。社会全体がセクハラを許さないという意思を示すことが、セクハラ撲滅の一番の近道である。 日本では古くから「お客さまは神様です」の精神が根付いている。そのため、なかにはお金を払っているのだから、何をしても自由だと勘違いしている人もいる。このような価値観を変えるためには、社会全体でセクハラ撲滅という課題に取り組む必要がある。 世の中の意識を変えるためには、航空会社、乗員、乗客、メディアが一体となって、機内ではセクハラを許さないという風潮を作っていくことが重要である。
森内智子(航空ライター)