DeNAのD5位・石田裕太郎、2度目の登板で完封! 球団新人初のデビュー2戦2勝、堂々95球無四球4安打
(日本生命セ・パ交流戦、西武0-5DeNA、3回戦、DeNA3勝、16日、ベルーナD)快挙を成し遂げた自分自身が、誰より驚いていた。27個目のアウトを奪ったDeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手(22)=中大=が、初々しく両手を掲げる。「最終回は『マダックス』を狙っていたので、やっちゃったなって」と照れ笑いを浮かべた。 【写真】2勝目を挙げた石田裕と歓喜のタッチをするDeNA・度会。新人コンビが躍動した 「マダックス」とは100球未満の完封を指す。右腕は9回95球を投げ、4安打無四球で完封勝利。球団の新人では初となる初登板から2戦2勝を飾ったが、「正直、五、六回ぐらいまでを目標にしていた」と無欲で腕を振っていた。9日の初登板からチームは7連勝し、全て先発投手に白星が付いた。 ストライク先行の投球で打者を手玉に取り、走者がいない状況でも2段モーションにクイックを織り交ぜて翻弄。大学2年の秋以来、自身2度目という「マダックス」は、持ち前の制球力と巧みな投球術のたまものだった。 制球力の源は、観戦に訪れた父・幸昌さんとの特訓にある。幼少期は朝5時から公園でキャッチボールに励み、胸に投げなければ捕球してもらえなかった。「それたら自分で捕ってこいと。今ではスパルタみたいですけど」と苦笑交じりに振り返る。 体調不良で入院していた熱烈なベイスターズファンの父は、前回9日のプロ初勝利を現地で見届けられなかった。「いいところを見せられてよかった」と石田裕。「父の日」に白星というプレゼントを贈った。(鈴木智紘)