JWマリオット・ホテル奈良が、古都の新しい旅へ誘う
古都・奈良にふさわしいラグジュアリーなホテル、JWマリオット・ホテル奈良。2024年、ミシュランキーを獲得したことも記憶に新しい。 【写真を見る】JWマリオット・ホテル奈良の全貌(10枚)
奈良をリスペクトした各部へのこだわり
奈良という都市の弱点は、この土地が誇る8つのユネスコ世界遺産にふさわしい宿泊施設がほぼ存在しないことだった。名所や観光史跡が充実しているのにも関わらず泊まる場所に恵まれていないということは、素晴らしい料理を提供するのに接客が悪いレストランのようで、バランスが悪かった。 この問題を解決したのが、2020年7月22日に開業したJWマリオット・ホテル奈良だ。JWマリオットは、マリオット・インターナショナルが展開する30のブランドのなかで上位カテゴリーに位置するラグジュアリーブランドで、奈良を日本初進出の地として選んだ。 実際に訪れてみると、ホテルの運営側が古都・奈良をリスペクトしていることがひしひしと伝わってくる。奈良が有する自然の美しさと伝統を、各部に反映しているからだ。 例えばロビー天井の木材梁は、奈良の寺や家屋の特徴を再現している。ロビーのリニア暖炉は伝統の若草山焼きからインスピレーションを得たものだし、レセプションの後方には奈良を取り囲む山々が描かれている。 スイート16室を含む全158室の客室は、奈良の古民家に見られるようなナチュラルで暖かい色調で統一され、日本料理レストラン「校倉」は、正倉院の工芸品を現代的に解釈した空間になっている。
2024年、ミシュランキーホテルを獲得
こうした設えやサービスが認められ、2024年7月には「ミシュランキーホテル」において、「1ミシュランキー」を獲得した。「ミシュランキーホテル」とはホテル版「ミシュランガイド」の格付けで、サービス内容や建築デザインなど、独自の5つの評価ポイントで宿泊施設を評価、格付けを決定するものだ。 今回は、型にはまらず他にはない体験を提供していることと、常に一歩先を行くサービスを提供していること、そして同じ価格帯の宿泊施設よりはるかに多くのことを提案していることが評価され、「1ミシュランキー」の獲得に至った。 奈良公園、東大寺、平城宮跡、法隆寺など、史跡や名所へのアクセスも良好で、24時間利用できるフィットネスセンターや屋内プール、マッサージやトリートメントの施術が受けられるスパなど施設が充実していることから、ビジネスから観光まで、幅広い用途に応えることができる。 奈良は1300年以上も前に首都が置かれた、京都より歴史がある都市だ。奈良という土地に、世界中から人が訪れる素地を作ったという意味でも、JWマリオット・ホテル奈良の意義は大きい。 少し人が増えすぎた京都を避けて、静かな奈良に近畿観光や出張の拠点を設ける。そんな使い方も頭に浮かぶ。いずれにせよ、奈良に素晴らしいホテルがあることは、すべての人にとって慶事なのだ。
文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.)、JWマリオット・ホテル奈良 編集・稲垣邦康(GQ)