「やられ放題。反スポーツ的行為だ」J1町田の黒田監督がロングスローを巡る広島の行為に激怒の抗議…0-2で敗れて3位後退
審判員が裁く問題ではなく、試合運営マターなのではないかと審判委員会としての見解を示した。実際、サッカーの競技規則にはボールの表面をタオルで拭く行為に対してだけでなく、ロングスローそのものに対する是非はいっさい記載されていない。こうした状況下で繰り返される場外戦に、黒田監督は広島戦後の会見でこう続けている。 「この試合だけでなく、いままで(ロングスローを)嫌だと思ったチーム、ストレスに感じていたチームはみんなやってくるので、ルールにないとはいえ、やはりJFAの方で対処してほしい。相手チームが用意したものに害を加える行為を許してしまえば、たとえば水のなかに何を入れてもいいとか、相手のボトルを蹴飛ばしてもいいとか、そういったものまですべてOKになる。相手のリザーブのキーパーだったと思いますけど、止める人がいなかった点を含めて、そのへんはしっかりと管理してほしい」 キックオフ前の時点で両チームが勝ち点59で並び、得失点差で広島が上回って1位に立っていた注目の直接対決。さらにつけ加えれば、リーグ最多得点の広島、最少失点の町田による「矛盾対決」を制したのは広島だった。 開始わずか3分。右サイドからMF中野就斗(24)があげたクロスを、今夏に加入した元ポルトガル代表のFWゴンサロ・パシエンシア(30)がボレーで叩き込んで先制。前半23分には再び中野のクロスを今度はFW加藤陸次樹(27)が左足で流し込み、守っては町田の枠内シュートをわずか1本に封じて2-0で快勝した。 黒田監督はロングスローの担い手である林幸多郎(23)を、前節までの右サイドバックではなく左サイドバックで起用。右サイドバックには192cmの長身を誇り、森保ジャパンにも抜擢された望月ヘンリー海輝(23)を配置し、林のロングスローと望月が攻めあがった際のロングボールを併用して広島を攻略する戦略で臨んだ。 しかし、前半に喫した失点はともに林のサイドを崩された末に喫した。今シーズンから開場したエディオンピースウイング広島には、浦和レッズとの開幕戦に次ぐ2万6655人の大観衆が駆けつけ、広島の選手ですら武者震いする光景を生み出した。 黒田監督は前半限りで代えた林をねぎらいつつも、こんな言葉を残している。 「左サイドバックのところで簡単にクロスを上げさせすぎた。悪く言うと緊張感ではなくて、この雰囲気にちょっと圧倒されていた。ロングボールも含めて、ウチの左サイドバックを意図して狙ってきた相手の方が一枚上手だったし、J1に初めて挑戦しているわれわれはこういう舞台で優勝を争えるようなレベルにまだ到達していないというか、優勝争い自体を経験していないメンバーも多くいるなかで後手を踏んでしまった」