「クラブは"打感”よりも“結果”が全て」 山内日菜子がアマチュアにも参考になる大胆なクラブチェンジで自信回復中
昨年の「アクサレディスIN宮崎」でQTランキング181位だった山内日菜子が、主催者推薦で出場して初優勝を遂げた。QTランクが最も低い優勝者で“史上最大の下剋上Vとして話題を呼んだ。シード1年目の今年は、苦しい時期が続いたが、キャディバッグの中身を大胆に入れ替える策で復調している。 山内はドライバーもアイアンも『カルカタ』シャフトに替えていた【写真】 きっかけは父・克則さんの助言だ。5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」以降、15試合に出場して5試合連続を含む12試合で予選落ち。「私が訳が分からなくなったので、全部任せたって言ってお任せしました」。父の指令はクラブのチェンジだった。 まずドライバーはテーラーメイドの『Qi10 MAX』から『Qi10』にスイッチ。シャフトは他社の50グラム台のフレックスSから優勝時と同じフジクラの『スピーダーNXグリーン』にして、40グラム台のフレックスSへシフト。4番ウッドは、ヘッドは替えずにシャフトをドライバーと同じく50Rから40Sに変更した。 そして、最も変わったのは7番から入っているアイアンだ。テーラーメイドのキャビティタイプの『P7CB』から中空タイプの『P770』にチェンジ。シャフトはフジクラ『MCI』の70Rから60Sとなった。 全体的にやさしい仕様に替え、シャフトはいわゆるカルカタ(軽くて硬い)。ただ、フレックスが異なる分、シャフト重量は数字ほどの差はなく「ドライバーは2グラムほど、アイアンは5グラムほど」(父)という。山内的にも「重さ自体はあまり変わらなくて、違和感なく振れていますし、逆に楽に振れるようになりました」。 クラブを入れ替えた「ゴルフ5レディス」ではいきなり今季最高の2位に入った。2週間後にはユーティリティのシャフトも60Rから50Sへと変更している。そして。今週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」も初日は3アンダー・6位タイで滑り出した。 予選落ちが続いていたときも、決してゴルフの調子が悪いわけではなかった。「練習場や練習ラウンドではいいショットが打てていたのですが、試合になるとうまくいかないことが多くて……」。練習と試合では緊張感や自身の力感が変わって、プロといえどもミスショットになることは増える。 「『P7CB』の時は、いいラインに飛んでいるのに花道で止まったり、手前のバンカーにつかまったり、今思えばありましたね。『P770』は多少そういうのも助けてくれます」と振り返る。中空モデルに替えると、メーカーがよくいう“ミスヒットへの強さ”を肌で感じている。 「『P7CB』は見た目のカッコ良さや打感とかすごく好きだった部分もあって使っていましたが…。結果が全てなので。結果が出たことで安心した部分もあるし、自信にもなりました。連戦の疲れも出てきますし、どれだけ楽に打てるかです」と秋以降の巻き返しを誓う。 アマチュアが打感や見た目にこだわってゴルフを楽しむことは決して悪くはない。しかし、スコアを求めるのであれば山内の選択が参考になりそうだ。 ◇ ◇ ◇ パーオン率トップ3のアイアンを調べると意外な共通点があった。関連記事【パーオン率トップ3の共通点を発見! 竹田麗央、岩井明愛、小祝さくらはロフト多めの“軟鉄鍛造”アイアンを使っていた】を読めば、ショットの正確性の秘密がが分かる。