実は難民だった!偉大な業績を残す著名人たち【6月20日は世界難民の日】
6月20日は世界難民の日。世界の難民(※)の数は、2022年末時点で約1億840万人と、日本の人口に近いのを知ってた(UNHCR, 2022)? 同年に、日本で難民と認められたのは202人(出入国在留管理庁,2023)。その人数は、増加傾向にあるけれど、世界的にみると少ない方。難民認定数が多い国々は、たとえばアメリカやイギリスでは約6万人、ドイツで約4.6万人と、その規模の違いは明らか(難民支援協会, 2023)。 日本では、難民というとあまり馴染みがなく、ネットカフェ難民など、ネガティブなイメージがつきがち。だけど、世界には、紛争や迫害から逃げのびた先で、偉大な功績を残している人々がたくさん。そんな実は元難民だった著名人を紹介! 苦難にあいながらも、社会に貢献してきたパワフルな彼らを通して、難民について考えてみて。 (※)国内避難民、庇護希望者などを含む、世界で紛争や迫害で故郷を追われた人を指す。
キー・ホイ・クァン「難民からオスカー俳優に!」
1980年代に『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』、『グーニーズ』で一躍、有名子役の座をものにした彼のルーツは、ベトナムにある。1971年にベトナムに生まれた彼が、父親とベトナムを脱出した幼少期は、同国を戦地とする複数の戦争がおこっていた時代。母親とは別のルートを通って、難民キャンプで1年過ごし、そのあと、無事にアメリカで再会。 上記作品以降、ハリウッド映画でアジア系俳優へのチャンスがないという現実に直面し、長い間、ハリウッドの世界から離れていたキー。ところが、2022年にアジア系移民の家族の物語を描いた映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に出演し、アカデミー助演男優賞を受賞するという、俳優としての本格的なカムバックを果たす。 「難民キャンプで1年を過ごした私が、どういうわけかハリウッドの大舞台に立つことになるなんて」と話した受賞スピーチから想像する彼の人生そのものが、まさにアメリカンドリームを描いた映画のよう!