【いつか泊まりたい山小屋#34北アルプス・湯俣温泉 晴嵐荘】名峰に囲まれた渓流沿いの秘湯宿へ
【いつか泊まりたい山小屋#34北アルプス・湯俣温泉 晴嵐荘】名峰に囲まれた渓流沿いの秘湯宿へ
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。34軒目は、槍か岳北麓の渓流沿いに建つ、湯俣温泉 晴嵐荘をピックアップ。 いつか泊まりたい山小屋 一覧はこちら。
山奥の山小屋で河原から噴き出す天然温泉を堪能
槍か岳、大天井岳、燕岳、鷲羽岳と、深田久弥氏の『日本百名山』に選ばれている北アルプスの名峰にぐるりと囲まれた高瀬渓谷。この深い谷には「湯俣温泉」と名付けられた温泉地があり、2軒の山小屋が建っている。ひとつが2023年に営業再開を予定している「湯俣山荘」、もうひとつが今回ご紹介する「湯俣温泉 晴嵐荘」だ。 真砂岳で裏銀座縦走路と合流する竹村新道のスタート地点であるこの場所は、天然の温泉に浸かれる山小屋として、湯俣山荘とともに古くから登山者たちの癒し処であり続けてきた。山小屋周辺の河原のそこかしこから温泉が湧き出ているうえ、山小屋から少し歩くと石灰華が堆積した噴湯丘を見ることもでき、山奥の温泉地ならではの独特な景観を楽しめる。 渓流の目の前に建つこと、河原にキャンプ場があること、登山口からほぼアップダウンなくたどり着けることなどから、晴嵐荘には槍か岳のバリエーションルートを目指す玄人の登山者だけでなく、キャンパーや釣り人といった多様な人々が訪れている。
帰りたくなくなる魅力的なサービスの数々
温泉に留まらず、晴嵐荘はグルメをはじめとするサービスが充実。夕食のスパイスカレーも人気だが、ランチにはエスニック料理を中心としたメニューが並ぶうえ、シーズン中にたまにしか提供されない自家製の魚介出汁と太麺にこだわったラーメンもある。夜にオープンするバーに、種類豊富なお酒が取り揃えられているのも魅力的。さらに2、000円で七厘のレンタルが可能なので(炭付き、要予約)、アルプスに囲まれた絶景のロケーションのなか、山小屋の前の河原でバーベキューを楽しめる。 滞在時にはぜひ晴嵐荘のサービスを利用しながら、ほかにはない山奥での特別な時間を味わい尽くしてほしい。