韓国軍の戒厳令「7人衆」全員拘束…浮かび上がった「学閥・地縁」構造的課題
【12月27日 KOREA WAVE】「非常戒厳」事態を主導または関与した韓国軍関係者全員がこのほど拘束された。この一連の出来事を通じて、彼らが軍内部で事実上の派閥を形成し、昇進や要職を独占し、意思決定を左右していた疑惑が浮上している。軍内部システムの見直しが必要との指摘も出ている。 取材によると、ノ・サンウォン前国軍情報司令官(陸軍士官学校第41期)とムン・サンホ前情報司令官(第50期)は、それぞれ大田(テジョン)高校と大田普門(ポムン)高校を卒業後、陸士に進学。両氏は現役・退役軍人を巻き込み、民間人と共に戒厳令を事前に模索した疑いで拘束された。 ノ・サンウォン氏はムン・サンホ氏らに昇進を餌に中央選挙管理委員会のサーバーを確保する必要性を説いたことが明らかになっている。また、ノ・サンウォン氏が現役将校の人事に介入していたことも指摘されている。これにより、ノ・サンウォン氏がキム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相(第38期)の「密接な後ろ盾」であったとの見方が強まっている。 キム・ヨンヒョン氏とノ・サンウォン氏の関係は、1989年の大統領執務室警護を担当する首都防衛司令部での勤務が契機となった。その後、キム・ヨンヒョン氏の推薦でノ・サンウォン氏が政策部門に配属されたという。さらに、キム・ヨンヒョン氏とノ・サンウォン氏の学閥や地縁が「軍内派閥」を強化し、今回の戒厳令事態を主導したとされる。 戒厳令発令後、国会制圧には特戦司令部、情報司令部、国軍防諜司令部、首都防衛司令部の1500人余りの兵力が動員された。イ・ジヌ前首都防衛司令官(第48期)は国会制圧の命令を下した疑いで拘束されており、軍内施設で政治家を拘束する計画の確認もしたとされる。 また、キム・ヨンヒョン氏の指示で戒厳令を発表したパク・アンス前戒厳司令官(第46期)も拘束され、戒厳令の主導者とされる陸士出身の「7人衆」が全員拘束されるに至った。これを受け、軍内部では陸士を中心とする学閥・地縁派閥が人事を独占していた事実が改めて浮き彫りになり、軍のシステム見直しが求められている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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