にしたんクリニック社長×元祖トレンディ俳優が特別対談!「どん底から這い上がるのは面白い」
木枯らしが吹き始めた12月下旬の夜7時過ぎ、俳優の石田純一(70)が昨年5月に自らオープンした千葉県・船橋の焼肉店『ジュンチャン』は超満員のお客さんたちでにぎわっていた。 【オモシロ画像】大人気!記念撮影に応じるサンタと焼肉経営者 しかも、店内には『イモトのWiFi』で知られる実業家の西村誠司氏(54)がクリスマスシーズンを祝うべくサンタの格好で訪れていた。歌手の郷ひろみ(69)や『高須クリニック』の高須院長(79)を起用した『にしたんクリニック』のCMでも知られる同氏は、日本を代表する経営者であり、多角的なビジネス展開で個人資産300億円を築いた今注目の人物だ。 実はこの日、西村氏がずっと会ってみたかったという石田氏との対談が実現。二人はそれぞれの「挑戦」と「再起」について語り合った。 ◆失敗を恐れずに挑戦し続ける理由 ーーそもそも、西村さんが石田さんに注目された理由は? 西村 :テレビで、石田さんが電車で(都内から)船橋まで90分かけて通っているという話を見たんです。しかも、ただ店に行くだけじゃなく、雑用まですべて率先してやっている。それを聞いて、本当に驚きました。普通、トップ俳優がそんなことしますか? 僕だったら、会社が潰れたとしても、そんな風に一兵卒からやり直すのは難しいと思うんです。 石田:いやいや、食べていくために必要なことをやっているだけですよ(笑)。芸能界ってアップダウンが激しい世界なので、こういう時期もあるんです。ただ、僕にとってやっぱり家族の存在は大きいですね。子供たちには、そんな状況を感じさせず、のびのび過ごしてほしい。だから今、頑張るしかないかなと思ったんです。 西村:それでも、あの決断は簡単じゃないですよ。都内の大豪邸に住んでいた石田さんが、今こうして店を経営している。その覚悟に感動しました。しかも、家族のために全力でやられているのがすごい。 石田:コロナにかかった時、食事をはじめ何をするにも当然家族から隔離されるじゃないですか。ある日、子供たちがベランダから室内で食事する僕の姿を窓越しに見ていたんです。『コロナがうつるから中に入っちゃダメ』ってママに言われたんでしょうね。サンダルを履いて僕を見ている姿が可愛くてね。逆に『もっと頑張らないと』と思いました。 西村:そのエピソード、本当に泣けますね。僕も家族がいなければ、今の挑戦はできていないです。『にしたんARTクリニック』で不妊治療を始めたのも、”命のスタート”を支えたいという思いからなんです。 ーー石田さん、焼肉店を始めた理由は? 石田:69歳の時、思い立ってこんな店を開店してしまいました……(笑)。もちろん、生計を立てるためというのもありますけど、それだけじゃないんです。年甲斐もなくというか、年を忘れて挑戦したくなって。今、この年齢だからこそ、逆に何か新しいことを始める楽しさを感じていますし、そういう”場所”を作りたかった。 ーー西村さんも、TikTokでの挑戦が印象的です 西村:そうですね。最初は何がウケるか全く分かりませんでした。社長ジャンルやビジネス系に絞った方がいいというアドバイスもありましたが、あえてオールジャンルで投稿してみたんです。期待していなかったものがバズることもあれば、いけると思ったものが全然ダメだったり。でも、毎日投稿を続けて失敗を重ねたことで、ようやく手応えを感じられるようになってきました。 石田:やってみないと分からないことって多いですよね。僕もそうですけど、結果を恐れずに挑戦し続けることが大事だと思います。 西村:『にしたんARTクリニック』の不妊治療も2年半かけてようやく最近形が見えてきましたが、最初は何が正解か全く分からなかったんです。実際に進めていく中で、『これだ!』と気づくことの繰り返しでした。 石田:僕も若い頃、俳優として売れる前はいろんな仕事をしました。下積みの経験があったからこそ、今こうして焼肉店をやることにも抵抗がなかったんでしょうね。 ◆「究極、死ななきゃいいんじゃないですか?(笑)」 ーーコロナ禍の時期はお二人にとってどんな影響を与えましたか? 石田:いや、もう……自分の評価で言えば、あの時は間違いなくどん底でしたね。スポンサーが次々と離れ、社会からも叩かれて。これまでの自分の行動には、例えばプライベートなことであれば社会的責任までは伴わないことも多かったんですが、コロナは違いました。外出を控えるというルールがある中で、必要なご挨拶や謝罪に出かけたことが結果的に批判の的になりました。ただ、逆境の時こそ、自分が正しいと思うことをやり続けるべきだと思ったんです。 西村:僕もコロナ禍で(金融機関に)融資をお願いしたとき、最初は本当に冷たい対応ばっかりでしたよ。メインバンクのはずの大手銀行も動かず、他のメガバンクも同じような対応で……。でも、ある銀行が必死に動いてくれて一気に状況が変わったんです。売上98%減でさすがに”倒産”も覚悟しなければいけないという経営状況だったので、あの時手を差し伸べてくれた銀行には今でも感謝しかないですね。年始の挨拶回りの時は必ずその銀行に、私も挨拶に行くようにしています。 石田:どん底から這い上がるのって大変だけど、面白いんですよ。努力した分、結果が見える。それがやっぱり挑戦する楽しさですよね。 西村:僕のTikTokでも、どん底から這い上がるストーリーが一番ウケがいいんです。コメントで『これを見て励まされた』と言ってもらえるのが嬉しくて、続けていける原動力になっています。 ーー石田さんはデモ(2015年の安保法制に反対する国会前デモ)に参加されたこともありましたが、リスクを伴う決断の背景には何があったのでしょうか? 石田:自分が正しいと思ったことをやらないと、後悔すると思うんです。損得で判断するだけじゃ、人生は面白くない。困難な道でも、自分の信念を貫いた方が、結果的には満足感があるんですよね。 西村:その姿勢、すごく共感します。僕もリスクを恐れずに挑戦を続けることを心掛けています。正直、失敗を恐れて何もしないほうがリスクだと思います。死ななきゃいいんじゃないですか?(笑)。 石田:そうですね。リスクを恐れないというのは、年齢を重ねると逆に楽しくなりますよ(笑)。若い頃は失敗を恐れていましたけど。人生はトータルで考えればいいんじゃないかな。 ーー最後に、お互いに対する印象を教えてください 西村:石田さんは、とにかくサービス精神がすごい。人を喜ばせることに全力で取り組んでいるところが本当に尊敬できます。腰は低くて、丁寧で、僕は大好きです。 石田:ありがとうございます(笑)。西村さんも、いろんな挑戦を通じて周りの人を幸せにしている。その積み重ねが、今の成功に繋がっているんだと思います。 成功と失敗を繰り返しながらも挑戦を続ける二人の姿は、何があろうとも諦めずに歩み続けるすべての人に静かなエールを送っている勇姿そのものだった。 この日、サンタに扮した西村氏は焼肉店『ジュンチャン』を訪れていたお客さんのお会計を全員分支払うサプライズをプレゼント!お客さんたちからは「えぇ~?!いいんですか?!」と驚きと喜びが交じった声があがり、お店は大盛り上がりで幕を閉じた。
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