「最高の形で先制点」坂本弾で連敗止まった!今季初7番DH、試合前に阿部監督からアドバイス
◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム2―7巨人(14日・エスコンフィールド) 巨人が日本ハムに快勝して連敗を6でストップした。今季初めて7番で出場した坂本勇人内野手(35)が両軍無得点で迎えた2回、4月25日の中日戦(東京D)以来となる決勝の4号ソロを放った。3回には萩尾のタイムリー、5回には吉川の2号3ランなどで加点。前日13日の楽天戦(楽天モバイル)から、1番と4番以外7人を変更した打線が機能した。戸郷翔征投手(24)は2失点で今季2度目の完投。6勝目を挙げてチームの勝率を5割に戻した。 【動画】坂本勇人が丸佳浩に外野ノック 全てを吹き飛ばした。坂本のひと振りが苦境を救った。両チーム無得点の2回2死。1ボール1ストライクからの3球目、山崎の外角低めに沈んでいく126キロチェンジアップを捉えた。豪快なスイングから放たれた打球は美しい放物線を描き、左翼席へ。「最高の形で先制点をとることができてよかったです」。4月25日の中日戦以来の今季4号ソロで先制点をたたき出した。この一発が決勝点。頼れる男が勝利を手繰り寄せた。 チームとともに坂本自身ももがいていた。開幕から打率は2割5分前後を推移。長打もなかなか出ていなかった。「全然良くない。どうすればいいかあんまりわかんない」。5月上旬の練習中には打撃のデータを見ながら珍しく弱音をこぼしたこともあった。 直近の出場6試合でも22打数3安打、打率1割3分6厘。6月12日の楽天戦(楽天モバイル)では、ほとんど“愛棒”を変えない男が一度、岡本和のバットも使った。現状を打破しようと必死だった。それでも光はなかなか見えてこなかった。 そんな時に手を差し伸べてくれたのが、阿部監督だった。試合前練習でタイミングの取り方やバットの出し方についてアドバイスされた。詳細については「大丈夫です」と、明かさなかったが、自主トレを一緒に行うなど若い時から目をかけてくれた指揮官の言葉で、頭を整理することができた。 助言を胸に刻み、2試合ぶりにスタメン。「7番・DH」だった。DH起用は2018年6月3日のオリックス戦(京セラD)以来。打順も主に2番、5番を務めていたが、今シーズン初めて7番に下がった。そんな試合の1打席目で、DHでは自身初の一発で最高の結果を出した。エスコンでも初アーチで本塁打を放ったのは通算25球場目。阿部監督の24球場を上回った。指揮官は「今日はちょっとだけアドバイスはしたんだけど。すぐああやって結果を出せる」と称賛。期待が大きいからこそ「それをどう継続していくかってことが大事だと思います」とさらなる復調を願った。 坂本のバットに導かれるように打線がつながり7得点。連敗を6で止め、暗いトンネルをようやく抜けることができた。「まずは(カード)勝ち越しできるように明日から頑張っていきたい」。ここからチームとともに逆襲に転じる。頼りになる背番号6が復活ののろしを上げた。(宮内 孝太) 【記録メモ】坂本(巨)はエスコンで初本塁打。これが通算25球場目の一発となり、現監督の阿部慎之助が記録した24球場を上回った。1950年の2リーグ制後、多くの球場で記録した本塁打には、山内一弘(大毎・神・広)の39球場、巨人では川上哲治32球場の例がある。ちなみに王貞治は19球場、長嶋茂雄は14球場だった。
報知新聞社