最高裁判所長官は「重要文化財」内に住んでいる!? 「もとは実業家の別邸」東京・神楽坂 “公邸”の知られざる歴史とは
一部を解体、保存と設備のアップデート両立
“旧公邸”をめぐっては、現代の生活様式には適合せず居住性に多くの問題を抱えていたことから、東日本大震災が発生する以前の2009年に有識者が整備のあり方を検討していた。 そして、「整備の必要はあるものの、歴史的、文化的な価値の高さから保存も考慮する必要がある」と結論づけられたものの、2011年に震災が発生。“旧公邸”は建物の倒壊こそ免れたが、居住を続けるには危険な状態になった。 そこで有識者から改めて助言を受けた結果、歴史的、文化的価値の高い主要部分については、重要文化財の指定を受けたうえで、耐震改修工事を実施することになったという。 一方、重要文化財の指定を受けなかった部分については解体し、長官の居住スペースを増築。通信ネットワーク環境が整備されたほか、居住スペースには現代の生活様式に合わせた設備が用意されたとのことだ。
重要文化財に指定も…「一般公開は検討中」
整備により、伝統と最新設備を併せ持つ現在の公邸。上述したとおり、一部は重要文化財に指定されているものの、一般市民には公開されていない。 公開について、前出の担当者は結論の出る時期は未定としつつ、「居住部分には長官が実際に居住しているため、どのような方法で一般に公開することができるのか、今後も検討していきたい」とコメントした。 歴史的、文化的価値のある建物として、もし一般公開されれば多くの人が関心を寄せることになりそうだ。
弁護士JP編集部