3人分の児童手当「600万円」が、姉の学費「だけ」に使われていた! これって不公平じゃないの?「贈与」や「窃盗」には当てはまる?
2024年2月時点においては、中学校卒業までの子どもには児童手当が支給されています。3歳未満は月1万5000円、3歳以上には月1万円が支給されており、全額を貯金したとすると約200万円になります。大学などの高等教育機関への進学には100万単位の大金が必要になるので、それを見越して児童手当を貯金している家庭も多いのではないでしょうか。 本記事では、子ども3人にそれぞれ児童手当を原資に200万円ずつ貯金していた親が、長子の姉の学費に全額を使ってしまったケースを取り上げます。ほかの子ども2人からしてみれば不満が出て当然の話かもしれません。その場合、贈与や窃盗などの問題になるのか否かを考えていきます。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
児童手当は親のお金
まず大前提となる話を整理しておきますが、児童手当は「親のお金」です。なぜなら、児童手当の支給対象者は、「12歳到達後の最初の3月31日までの間にある児童(小学校修了前の児童)を養育している方」となっているからです。 また児童手当制度の目的は、「児童手当制度は、児童を養育している方に手当を支給することにより家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的にしています」となっていることから、親が子どもを育てるために負担しなければならないお金の一部を、国が負担する制度であることがわかります。
兄弟姉妹から姉への贈与ではない
児童手当は親のお金なので、兄弟姉妹3人に200万円ずつ貯めていたお金の全額600万円を姉に使ったとしても問題はありません。そもそも兄弟姉妹のお金ではないので、兄弟姉妹から姉に200万円ずつ贈与したことにならないのです。 では、「親から姉への贈与 」と思うところですが、親が子どもの教育費を出すことは当然なので、「贈与税がかからない財産の贈与」であるとして贈与税はかかりません。
窃盗でもない
もうお分かりでしょうが、もちろん窃盗でもありませんね。親や姉が兄弟姉妹のお金を盗んだわけではないからです。姉が勝手に600万円使ったのであれば親からの窃盗になりますが、本記事では親が学費に使ったということなので該当しません。