「パフォーマンスやスピードは昨年と比べ物にならない」トヨタWRC勝田貴元、2024年は自身の成長を実感した1年に
WRC(世界ラリー選手権)の2024年シーズンは最終戦ラリージャパンで閉幕。ドライバーズ/コドライバーズチャンピオンはヒョンデのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組で、マニュファクチャラーズタイトルはトヨタが獲得した。 【動画】WRCラリージャパン × 航空自衛隊 勝田貴元が”マシンスワップ”でF-2戦闘機に搭乗! 日本人として唯一Rally1へ参戦する勝田貴元はドライバーズランキングで6位。厳しいシーズンだったと認めつつも、大きく成長できた1年だったと語った。 アーロン・ジョンストンとのコンビで、2024年にマニュファクチャラーズポイント対象のドライバーとして初のシーズンを迎えた勝田。サファリ・ラリーケニアでは2位表彰台を獲得したものの、思い通りにいかないラリーも多く、随所でスピードを発揮しながらも結果として現れないという厳しいシーズンを過ごした。ラリーチリでは気持ちを切り替えるために、参戦ラインナップから外されるという厳しい瞬間も経験した。 またシーズンを締めくくるラリージャパンでは、勝田はトヨタのマニュファクチャラーズタイトル防衛をサポートするため、スピードよりも完走を優先するという役目を負い、総合4位となった。 「今年すごく苦しいシーズンが続きましたが、チームメイトはもちろん、スタッフやエンジニア、メカニック、みんながサポートしてくれました」 勝田は2024年シーズンを振り返ってそう語った。 「エンジニアに関しては仕事の域を超えたところまで色々とサポートしてくれました。モリゾウさん(トヨタ豊田章男会長)もいつも言っていますが、本当にファミリーのようなチームです。それくらい、暖かく支えてくれるチームのお陰でここまで戻って来ることができたと思います」 そして勝田は2023年と比較して、2024年はパフォーマンスやスピードという面で格段に成長したと語り、今後はスピードの“出しどころ”という判断力を高めていきたいと明かした。 「今年1年は苦しいシーズンではありましたが、しっかりと自分のパフォーマンス、スピードというところは昨年とは比べ物にならないくらいのところに来ていると思います」と勝田は続けた。 「あとは必要な時にスピードを出して、そうではないときにしっかりとマネジメントするという、リズムやフィーリングをもう少し身につけていきたいです」 「今回は絶対に完走が目標で何もできない状況でしたが、前回のセントラルヨーロッパラリー(総合4位)のようなパフォーマンスを発揮すれば、年間を通していいポジションに入れると思いますし、チームのタイトルにも間違いなく貢献できると思います。そこからさらに上を目指していくというのが次のポイントかなと思います」
滑川 寛