【ソフトバンク】甲斐拓也「勝負しにいきました」長年バッテリー組んだDeNA森唯斗から3ラン
<日本生命セ・パ交流戦:DeNA1-10ソフトバンク>◇7日◇横浜 会心の恩返しダーン~! ソフトバンク甲斐拓也捕手(31)が「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦に7番で出場。0-0の2回1死一、二塁。昨季まで10年間苦楽をともにした先発の森唯斗投手(32)から先制決勝の2号3ランをかっ飛ばした。3月のオープン戦でも先輩右腕から代打逆転3ランを放っていたが、本番でも元バッテリー対決を制した。背番号19が15安打10得点の大勝&今季最多タイの貯金20に大きく貢献した。 【動画】かつての相棒、森唯斗から先制弾!甲斐拓也2号3ラン ◇ ◇ ◇ 甲斐は体をそるほど豪快なフォロースルーを描いた。打球は左翼へ舞い上がる。角度は文句なし。飛距離はどうか。コツン。フェンス上段のバーに当たり、跳ね返ったボールがスタンドに飛び込んだ。マウンド上のDeNA森唯は、険しい表情を浮かべるしかない。甲斐は淡々とした表情でダイヤモンドを周回した。 「長く一緒にやらせてもらって、森さんがいいピッチャーということは十分分かっていたので。とにかく割り切って勝負しにいきました」 0-0で迎えた2回1死一、二塁。カウント1-1からの3球目だった。内角直球を迷わず強振。4月28日以来、出場24試合ぶりの先制2号3ランを決めた。森唯からは3月2日のオープン戦(北九州)で放った代打逆転3ランに続く2発目。「結果的にホームランになっただけ。でも、感慨深いところはあります」としみじみ言った。小久保監督は「あの3ランは今日の流れ的には良かったです。(甲斐)拓也の3ランは大きかった」。甲斐のアーチを手始めに打線は3回に2点を追加。森唯を3回途中で引きずり下ろし、終わってみれば計15安打10得点の圧勝だった。 甲斐と森唯はホークスで10年間ともにプレーし、長年バッテリーも組んだ。1学年先輩の右腕から学んだことはたくさんある。「僕がリードし切れずっていうことがたくさんあった。(森さんが)ものすごく大きい心で守ってくれた部分もあった」。ミスを責められることはなかった。寄り添い、配球面で助言ももらった。17年、20年は主力としてリーグ優勝&日本一を経験。20年の日本シリーズでは森唯がセーブを挙げ、抱き合って歓喜の瞬間を味わった。甲斐は「森さんの涙も見てきていますし、お互いいろんなことを乗り越えてきた」。喜びも悲しみもすべて共有してきた。今でも感謝は尽きない。 チームは連敗を阻止し、貯金を再び今季最多タイの20に戻した。交流戦は4カード連続で初戦を取り、首位楽天とは1ゲーム差をキープ。背番号19が恩返しの1発で、心新たに進撃を期す。【佐藤究】