AIやロボットは家事労働をどう変えるか、オンライン日英シンポで将来の姿を討議
そして、家事の種類ごとの自動化に対する意識調査のデータも合わせて、今後、性別や年齢層別に無償労働がどれだけ自動化されるかをシミュレーションした。両国とも需給の変化で生じるギャップを自動化によって埋めることができるが、日本では育児の時間を埋めきることはできないという予測を示した。
「新規のトピックでも、今後メジャーになる」
研究メンバーは引き続き調査データの分析研究を進める。日英2カ国だけでなく他の国々で調査研究を展開する計画もあるという。メンバーは口々に、国籍やバックグラウンドの異なる研究者が協力して研究を進めてきたことについて、素晴らしい経験だったと語った。「多くの方々にとっては全く新規のトピックに見えると思うが、今後メジャーになっていく」と福田氏。シンポジウムで一端を発表した生活時間のシミュレーションなどの研究成果は、日本大学人口研究所に新たに作成されるWebサイトで公開するとのこと。
シンポジウムの参加者は135人。参加者からは「こうした調査が世論を変えていくのだと思った」というコメントも寄せられた。今がまさに転換点なのだろう。 (佐々木弥生/サイエンスポータル編集部)