イチゴが2割高 ケーキなど業務向け少なく
シーズンが始まったイチゴの相場が堅調だ。九州の産地が高温や降雨の影響で定植が遅れるなどして入荷量が少なく、平年(過去5年平均)比2割高で推移している。特に業務向けは少なく、今後も高値を維持しそうだ。 イチゴの28日の日農平均価格は平年比24%高の1キロ2375円だった。11月下旬は高値を付けた前年水準には及ばないが、平年を上回って推移する。東京の青果卸は、先週の冷え込みもあり、「今週は増量ペースが鈍く、休市明けも思ったより数は伸びなかった」と説明。「特にケーキなど業務向けは小玉サイズの入荷がやや少なく、その分、価格が高くなっている」という。 主産地のJA全農とちぎによると、前年同様に夏場の高温の影響を受けたものの、生育は回復。品種の切り替えが進み、「とちあいか」が作付けの8割を占め、「出荷ペースは平年並みで、12月中旬に年内のピークを迎える」と話す。 12月に入るとクリスマスケーキなどの業務向けで小玉サイズを中心に引き合いは強まる。スーパーも棚を広げたり品ぞろえに加えたりする動きも出てくるため、「今後増量に伴い相場は緩やかに下げるが、業務向けは高値になりそう」(別の卸)とみる。
日本農業新聞