「芯からダンスが好きなので」翔凜高等学校チアダンス部 梶本雅さん 日本一獲得に秘められた競技への愛情と思考力
現在はキャプテンとして、今夏の最後の大会へ
3年生が引退後は梶本さんがキャプテンとしてチームを引っ張る立場にもなった。その自覚は既に醸成されていた。ここでもプロアスリートさながらの考えを持って臨んでいた。 「人数は部員全員で7人ですので、一人の踊りがより目立つようになりました。後輩には褒めて伸びる人や焦った方がいい人などそれぞれです。 『その練習が何に向けたものであるか』を伝えながら相手に合わせてコミュニケーションをとっています。その目的や目標。目指すところが一緒になればチームは変わっていくと思っています」 顧問を務める松本裕希也先生も日々の様子を見て、 「私の役割は生徒たちが怪我をしないように見守るだけと言っても過言ではないです。みなさんチームで日本一を獲るという目標に向けて自主的に行動できていると思います」と全幅の信頼を置いている。 取材から3日後、翔凜高校は団体として「第十五回全国高等学校ダンスドリル冬季大会」に出場。 夏に行われる「全国高等学校ダンスドリル選手権大会2024」での団体戦で高校生活の最後を飾る。(※梶本さんは前年優勝のため個人参加はなし) 地域や学校の持つチアダンスの可能性 翔凜高校のある君津市はじめ周辺地域では、チアダンスの競技人口の伸びしろを感じているという。松本先生はこの背景について、 「学校のある君津市も少子化が進んでいるデータがあります。ただ、小学校・中学校の必修でダンスがあるためか、『ダンスをやりたい』という生徒たちが増えている話を聞いてます」 翔凜高校では個人賞日本一を2人輩出していることから、その実績を活用していきたい想いを抱いている。 「中学時チアダンス部で高校進学後に一度離れた生徒が、文化祭や大会でのパフォーマンスを見て『もう一度やりたい』と入部した方もいらっしゃいます。 あと、これだけの実績と実力を持った生徒がいますので、教える立場として戻っていただけるような環境をつくっていきたい考えも持っています」(松本先生)