グローの「女性活躍推進企業」認証取り消し 滋賀県、ハラスメント防止策確認できず
前理事長による性加害と法人の安全配慮義務違反が10月の東京地裁判決で認定された社会福祉法人「グロー」(滋賀県近江八幡市)について、滋賀県は24日、「県女性活躍推進企業」の認証を取り消した。平成27年に同制度が創設されて以来、認証を取り消されたのは初めて。 三日月大造知事は同日の定例記者会見で、取り消し理由について「グローに対する判決確定後に実施した県の現地調査で、グローが自ら公表したハラスメント防止の取り組みが確認できなかった」などと述べた。 同制度は、県が女性の活躍推進に取り組む企業・団体を応援するために創設。女性の正規従業員比率や従業員の育休取得率など32項目の達成度を審査し、達成項目数に応じて一~三つ星企業として認証している。 グローは29年に「二つ星企業」の認証を受け、令和4年に再認証された。県によると、24日現在の認証企業は、一つ星167社、二つ星151社、三つ星8社の計326社となった。 前理事長の北岡賢剛氏(66)から性暴力やセクハラ、パワハラを繰り返し受けたとして、元職員の女性2人が北岡氏とグローを相手取って損害賠償を求めた訴訟では、東京地裁が10月、北岡氏の性加害を認定し、北岡氏に220万円の支払いを命じ、グローにも安全配慮義務違反があったとして440万円の支払いを命じた。北岡氏側は判決を不服として控訴している。