【詳報】袴田巌さんに静岡県警本部長が直接謝罪 当時の取り調べ手法にも問題認める
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
58年前、静岡県の旧清水市で4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で無罪が確定した袴田巌さんに対し、県警本部長が21日、浜松市の自宅を訪れ、謝罪しました。 21日、浜松市内にある袴田さんの自宅に姿を現したのは県警のトップ、津田隆好本部長。 (津田隆好 県警本部長) 「逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし申し訳ありませんでした。今後、静岡県警察といたしましては、より一層、緻密かつ適正な捜査に努めてまいります。申し訳ありませんでした。」 津田本部長は、袴田巌さんと姉、ひで子さんに謝罪。およそ100秒にわたり頭をさげ続けました。 袴田巌さんは9月26日、静岡地裁で開かれた再審で無罪判決を言い渡され、今月9日、検察が控訴する権利を放棄したことで無罪が確定しました。静岡地裁は、判決で捜査機関による3つの証拠のねつ造を認定していました。 本部長が目の前に姿を現すと、その場に立ち上がった袴田さん。ひで子さんらに座るよう促されると、ソファに腰を下ろし、本部長の謝罪に耳を傾けました。 謝罪に、袴田さんと姉ひで子さんは・・・ (姉・袴田ひで子さん) 「私たちは運命だと思っています。巌も私もそう思っておりまして、今さら警察に苦情を言うつもりはありません。」 (袴田 巌さん) 「権力を持つということですね、権力をもったらぐずぐず言わないように、そう心得ております」 謝罪後、報道陣の取材に応じた姉・ひで子さんは・・・ (姉・袴田ひで子さん) 「巌がいつまでも死刑囚でいるということではなくて、死刑囚でなくなったということを忘れるための踏ん切り。その踏ん切りをつけていただきたいと思って、きょうはお迎えしたんです。」 一方、県警・津田本部長は、面会後の報道陣の取材に対し、当時の捜査手法について謝罪しました。 (津田隆好 県警本部長) 「この事件についての取り調べにつきましては、強制的、威圧的な取り調べがあったということで、誠に申し訳なく思っております。」