オオアナコンダの新種を発見、“世界で最も重いヘビ”に隠されていた衝撃の事実
巨大ヘビの研究の苦労とは
巨大なヘビの研究は簡単ではないが、その理由はあなたが思っているものとはおそらく異なるだろう。 体重227キログラム以上、体長8.9メートル以上と記録されている最大のオオアナコンダは、おそらく人間を殺して食べることができるだろう。しかし、そのような事例が確実に記録されているのはアジアのみであり、しかもそのヘビの種はアミメニシキヘビだ。 それでも、アナコンダを研究する仕事には別の危険がある。 フライ氏は、自身の研究のためにうろこを数えていた際、ヘビの下半身に近い部分が最も参考になることがあったと言う。同時に、アナコンダは触れられている際に排便する習性がある。 「大きなアナコンダを扱っていると、約1.5リットルもの便を全身にかけられることがあります」とフライ氏は笑って言う。「でも、夢をかなえているんです!」 もちろん、アナコンダは巨大で強力な捕食者だが、それはこの動物が詳しく研究されてこなかった理由の一つにすぎない。アナコンダが一生のほとんどを沼地や湿地、小川、川の濁った水中で過ごすことも、研究が進まなかった理由だ。 キタオオアナコンダとミナミオオアナコンダがどのようにして別々の進化の道を歩み始めたのかを理解するには、今回のような研究がさらに必要かもしれない。フライ氏によれば、フランス領ギアナでは、この2種は反対側の川岸で見つかるほど近くに共存しているようだ。しかし、遺伝学的には交雑の証拠はない。 次の研究では、フライ氏は2種の生殖器に違いがあるかどうかを知りたいと考えている。なぜなら、ヘビの多くの種は鍵と鍵穴のように互いにピッタリはまる構造を進化させているからだ。そして、2つの種の間でうまく交尾できなくなると、それらの種はさらに多様化が進みやすくなる。 「1つの疑問に答えるごとに、より興味深い7つの疑問が浮かんでくるのです」とフライ氏は言う。「私にとって、それは良い研究の兆候です。良い研究とは、古い疑問に対する答えと同じくらい多くの新たな疑問を生み出すものだからです」