オオアナコンダの新種を発見、“世界で最も重いヘビ”に隠されていた衝撃の事実
分けるべきか、まとめるべきか
「これは非常に綿密な研究で、私はその遺伝学的な結果を全面的に信頼しています」と、ドイツのケーニッヒ博物館の名誉スタッフメンバーで上級爬虫両生類学者のウォルフガング・ベーメ氏は述べている。「オオアナコンダに遺伝的な深い隔たりがあるという発見は重要です」 今回の研究では、キイロアナコンダ(E. notaeus)とダークスポットアナコンダ(E. deschauenseei)、ボリビアアナコンダ(ベニアナコンダ、E. beniensis)をキイロアナコンダ1種に統合すべきだという主張もしている。興味深いことに、ベーメ氏はこちらの結論にはあまり同意していない。 この発見は、オオアナコンダで行われたのと同じ遺伝学的研究に基づいている。しかし、これら3種の場合はオオアナコンダとは反対に、別々の種とするほど遺伝的な違いは十分大きくないとフライ氏らは主張している。 別種にするか1種にまとめるかという問題は、ある程度哲学的なものだとフライ氏は言う。 「私は非常に保守的で、根は(分類群を大きくまとめたがる)一括主義者です」と氏は認めている。「ですから、私にとっては、これらを1種に統合するのが合っているのです」 ベーメ氏は納得しておらず、1種に統合しようとするのは「時期尚早」だと考えている。しかし、べーメ氏には現在のまま3種に分けておくべきだと考える十分な理由がある。なぜなら、E. beniensisは2002年に新種として発見されたばかりであり、この発見はそれ自体が重要なものだからだ。 「少しひいき目があることは認めます」とベーメ氏は言う。「なぜなら、私はE. beniensisの発見に深く関わっていたからです」
文=JASON BITTEL/訳=杉元拓斗