佐津川愛美、清純派から一転…転機になった“陰キャ役”。長時間におよぶ壮絶なお風呂シーンでは「具合が悪くなって(笑)」
※佐津川愛美プロフィル 1988年8月20日生まれ。静岡県出身。2005年、『蝉しぐれ』でスクリーンデビュー。映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、映画『ヒメアノ~ル』(吉田恵輔監督)、『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)、朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)、主演ドラマ『サブスク不倫』(TBS系)など出演作多数。2024年4月5日(金)に公開される主演映画『毒娘』(内藤瑛亮監督)の他に、『バジーノイズ』(風間太樹監督)、『かくしごと』(関根光才監督)の公開が控えている。
助演女優賞にノミネート
2005年、佐津川さんは、映画『蝉しぐれ』でスクリーンデビューする。この映画の舞台は、江戸時代の東北の小さな藩。父が藩の世継ぎを巡る陰謀に巻き込まれて切腹を命じられ、生活が激変した文四郎(市川染五郎)の成長、彼を慕う武家の娘ふく(木村佳乃)との淡い恋を描いたもの。佐津川さんは、ふくの少女時代を演じた。 「最初の演技のお仕事が『蝉しぐれ』で、公開の2年ぐらい前から撮影していました。中学3年生の秋と冬に静岡から上京して撮影し、高校1年生の夏に一番長いパートを撮影しました」 ――『蝉しぐれ』に出演することが決まったと聞いたときはいかがでした? 「今思えば、すごく大きな作品だとわかりますけど、当時は何もわかっていなかったので、決まったと言われても実感がありませんでした。監督とお会いしてお話をさせていただいて、その日の帰りには『決まりました』って、すぐ連絡してくださって。事務所の方も『良かったね』みたいな感じでしたが、そんなにすごいことだということもわかってなかったです。 演技の経験をしたことがなかったので、当時のマネジャーさんが撮影に入る前に、事務所で開かれていた演技レッスンに出るようにということで、週に1回演技レッスンに静岡から通いました。木曜日だったと思うんですが、学校が終わってから東京に来て。 そのときのマネジャーさんは、映画が決まっていたので、コミュニケーションの取り方などを学ぶ意味合いで行かせてくれたんですが、その演技レッスンの時点で、参加されている皆さんがすごすぎて…。 そのときは皆さんがすごいお兄さんお姉さんに見えました。一生懸命演技のレッスンをされていて、堂々としていて、私は萎縮していました。その中で表現することも全然できなくて、いつも静かで全然しゃべらない子でした。 そのときの演技の先生が何年か経ってから舞台を見に来てくださって、『成長したね』って言ってくださったので、『あの頃は緊張して猫をかぶっていました』って(笑)」 ――『蝉しぐれ』でブルーリボン賞助演女優賞にもノミネートされました。デビュー作でいきなりでしたが、いかがでした? 「それも実感がありませんでした。たしかお母さんが朝、『新聞に出ているよ』って言っていたような気がします(笑)。 『蝉しぐれ』を最初に経験させていただいたことが私の中で一番大きなことでした。そこで初めてお芝居をさせていただいて、映画の現場がすごく楽しいと思いました。さらに出来上がった映画を見たときにもまたあらためて感動して。 いろんな景色がとてもきれいに丁寧に撮られていて、『映画ってすごいなあ』って感動しました。それで、どんな形であれ映画に携わっていきたいなって、思ったのが原点、スタートでしたね。ありがたいです」