ゴールドマン、日銀マイナス金利解除予想-オーバーシュート型撤廃も
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは、より力強い賃上げ回答や最近数日の報道から日本銀行が行動する用意がうかがえると捉え、日銀が18、19日に開く金融政策決定会合で2007年以来の利上げに動き、マイナス金利政策を解除すると予想した。
ゴールドマン・サックス証券シニアエコノミストの太田知宏氏は、これらの動きは恐らく、日銀が政策変更のためにより多くのデータをもはや必要とせず、4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で政策修正を正当化するタイミングを待つ必要もなくなったことを意味すると見解を示した。
日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を完全に終了する一方、日本国債の買い入れ総額は現行ペースを維持し、上場投資信託(ETF)保有高も一定に保つことになるだろうと太田氏は18日付のリポートで予測した。
生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続すると約束したオーバーシュート型コミットメントについても、撤廃される可能性が高いと太田氏は指摘した。
ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト50人を対象に実施し、先週結果を公表した調査では、日銀が4月にマイナス金利政策を解除すると予想する回答が辛うじて過半数を上回っていた。
しかし、春季労使交渉(春闘)では満額を含む高額回答が相次ぎ、連合がその後発表した経営側回答の第1回集計結果は予想を大きく上回った。これに伴い日銀が3月に動くとの観測に拍車が掛かった。
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原題:Goldman Now Sees BOJ Scrapping Negative Interest Rate in March(抜粋)
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Malcolm Scott