「バカじゃないのって言われちゃうかも」裏金問題で揺れた萩生田議員を小川直也が「応援したかった」ワケ
萩生田氏は2位に約8000票の僅差で当選
結果的に萩生田氏は、東京24区で7万9216票を獲得し、2位に8000票弱という僅差ながら当選を果たしたが、これには小川も「でも選挙だからね、八王子市民はそういうところを見てたんだろうね。良かったよ、受かって」と胸をなで下ろした様子。 しかしながら、小川としては接戦になったことに不満があるらしく、「接戦はキツいよな。そこはいくらなんでも八王子の利益をもたらしてくれる人なんだから、もっと大差でいいんじゃないの? 夜8時過ぎの開票直後に『はい当選』ってそれを見たかったよ。気持ちいいじゃん」とまで話す。確かに萩生田氏に「当選確実」が出たのは、深夜0時45分だった。 「今はみなさん、萩生田先生のイメージが悪く受け取られてるだろうけど、このYouTubeだって、この話題をなるべく逸らそうとするけど、それは違うなって思って。そこをあえて、メスを入れるぞ。小川、バカじゃないのって言われちゃうかもしれない。でも、それ(裏金問題)と分けて。そういう人ですよ。そういうところがマズかったって。それでも見る人がダメだと思えば、それはしょうがない」 ここまで小川の言動を振り返ってきたが、小川と萩生田氏に深い信頼関係はあることは分かった上で、単にそれだけではないような気がしている。それは何かと思いを巡らすと、そこにはやはり、小川の師匠であるアントニオ猪木の姿が浮かび上がってくる。 猪木は、いわゆるプロレス市民権を獲得すべく、格闘技世界一決定戦から巌流島決戦、「国会に卍固め」で実際に政界に進出してからはイラクの人質開放や北朝鮮への度重なる訪問……と世間にある逆風を逆手に取るように人生を展開させてきた。それと今回の萩生田氏による裏金問題を同列に考えることはできないものの、小川にも、そういった世間の風や波に対して抗って生きる、猪木的なDNAが流れているに違いない。要は、メディアによる印象操作だけではない、現場にある生の声や体験が猪木を動かす原動力になったことを、弟子である小川も受け継いでいるのだ。 実際、小川は「俺も『応援に行きますよ』って(萩生田氏に)言った」ところ、「その時は頼みます」と返答はあったが、「迷惑かけたくなかったのかもしれないけど、その時はスタンバイしたもん。『いつでも行かなきゃ』って」と話し、結果的に応援の依頼がなかったことも明かしていた。 「コロナ禍に、俺と先生を結びつけてくれた先代の住職さんがお亡くなりになったわけ。そのときの葬式の時も、お亡くなりになってからしばらくしたら葬式をやりますよって感じになったんだよ。そのときも関係者って、俺と萩生田先生の2人だけだよ。(葬儀の直後に萩生田氏は)テレビに出てたもん。だから急いで行ってたんじゃない。義理人情に厚いしさ。そういう方なのよ。それを言いたかった。もし応援に行くならね」 仮の話、もし小川が実際に萩生田氏の応援演説に出向き、最後に両者がハッスルポーズなどしていたらどうなっていたのか。今となっては知るよしもないが、想像するに余計な波風を立てただけだったかもしれないし、萩生田氏の当落に大きな影響が出た可能性も否定はできない。それでも、小川による“熱”が、さまざまなカタチとなって八王子市民の心を突き動かしただろうことも否定はできない。 (一部、敬称略)
“Show”大谷泰顕