ロシア音楽界の牽引者、グラズノフの代表作にしてロシア・バレエの傑作『ライモンダ』【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
グラズノフ バレエ『ライモンダ』 20世紀初頭のロシア音楽界の牽引者
今日8月10日は、ロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフ(1865~1936)の誕生日です。 その存在は、音楽的才能の凄さを同時代の誰もが認める、20世紀初頭のロシア音楽界における重要人物です。 リムスキー=コルサコフとともに、ボロディンの未完のオペラ『イーゴリ公』を補筆したことや、サンクトペテルブルク音楽院において長く教鞭をとり、門下からショスタコーヴィチを初めとするロシア国民楽派の作曲家を数多く輩出した業績は見逃せません。 一方、彼が手がけた作品は、洗練されていながらも保守的で、面白みにかけると評価されていることが意外です。代表作として知られるバレエ『ライモンダ』は、グラズノフが手がけた初めてのバレエ作品でありながら、チャイコフスキーの『眠れる森の美女』以後における、ロシア・バレエの新たな傑作として高く評価された作品です。 グラズノフならではの洗練された美しさが際立つこの作品の初演は、1898年1月19日。サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で行われています。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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