【欧州市況】英国債下落に歯止め、利下げ見通し強まり-株も回復
(ブルームバーグ): 9日の欧州債券市場は、英国債が大幅な下落から回復したことで、3日間にわたった不安定な動きから一定の落ち着きが戻ってきた。
英10年債利回りは4.81%と、前日比ほぼ変わらずで引けたが、依然として2008年以来の高水準付近。30年債利回りは5.38%と約26年ぶりの水準。
英国の経済活動が弱まり始めたため、さらなる利下げを予想しているとイングランド銀(英中銀)のブリーデン副総裁が述べたことなどを受け、今年に入り初めて短期金融市場が織り込む英中銀の追加利下げ見通しが強まった。今年の利下げ幅の予測は朝方に40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで縮小したが、引けまでに約50bpへと拡大した。
一方、欧州中央銀行(ECB)に対しては、今後の緩和予測が最大3bp縮小し、今年98bpの利下げを織り込んだ。
フランス国債は全年限で、欧州の他の国債よりも軟調だった。ECB政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は8日夜、独仏債権の利回り差(スプレッド)が危機的なレベルに拡大していると警告した。
ストックス欧州600指数は、鉱業株と金融サービス株にけん引され、0.4%上昇した。中国が欧州連合(EU)の外国補助金規制に関する調査を終え、貿易と投資に対する障壁に当たるとの判断を示したことを受け、自動車株が下落した。
英国の中型株で構成するFTSE250種指数は、一時1.1%下落したものの、0.3%上昇し取引を終えた。
1月9日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:Gilts Steady, Capping Tumultous Three Days: End-of-Day Curves、UK Midcaps Halt Drop, European Stocks Gain as US Policy in Focus、UK’s Market Woes Shift to Pound With Currency at One-Year Low(抜粋)