民間ロケットのカイロス2号機、3度目打ち上げで大空に飛翔 小型衛星5基を軌道に投入へ
宇宙事業会社のスペースワン(東京都港区)は18日午前11時、開発中の小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機を和歌山県串本町のロケット発射場、スペースポート紀伊から打ち上げた。搭載する小型衛星5基を、発射約53分後から順次、軌道に投入する。成功すれば民間単独で日本初の衛星打ち上げとなるが、現時点で成否は不明。 2号機は全長約18メートル、重さ約23トンの3段式ロケット。打ち上げの約2分28秒後に1段目、約4分40秒後に2段目、約7分50秒後に3段目を切り離し、その後、1基ずつ衛星の軌道投入に挑む。結果については、18日午後に記者会見を開いて明らかにするとしている。 カイロスは、小型ロケットの機動性を生かし、低コストと顧客の要望への迅速な対応が売り物。宇宙ビジネス市場の拡大で、急増が期待される民間の小型衛星打ち上げの大量受注を狙っている。 今年3月に打ち上げた初号機は、発射の約5秒後に機体の自律飛行安全システムが異常を検知。安全飛行は困難と自動的に判断し、機体を爆破し失敗した。設定されていた、正常な飛行に必要な上昇速度の範囲が不適切に高く、実際の上昇速度が範囲を下回ったことが原因と判明しており、2号機は設定値を見直して適切な範囲に修正し、打ち上げに再挑戦した。 同社の豊田正和社長は打ち上げに先立つ記者会見で「初号機の経験を通じシステム全体の飛躍的改善ができた。全身全霊を尽くし2号機の成功を目指す」と意気込んだ。 2号機は当初、14日に打ち上げられる計画だったが、発射場上空の強風の影響で、2度にわたって延期されていた。