【UFC】マテウス・ガムロ「堀口恭司のスピードに追いつくように。クレベルとはかなりスクランブルをした」×ダン・フッカー「アクションボタンを押すのは俺だよ」
◆ダン・ フッカー(会見)「24歳から10年間ビッグショーの中で成長を遂げなければならなかった。ついに完成した姿を見せられる」
──オークランド出身のあなたにとって地元ではないとはいえ、ラスベガスやミルウォーキーよりも、ずっと近い場所で戦うことになりますね。 「そうだね、他のファイターたちが今回、『長旅だった』って嘆いているのを聞くのはちょっと面白いんだよね。俺は毎回その長旅をやっているんだ。だから、同情の余地は全くない。イギリスにも飛んだことがあるけど、ここよりもずっと遠いんだ。だから、相手にも同情はしない。パースで戦えるのはクールだね。去年のパース大会は本当にすごかったよね。スタジアムの屋根が吹き飛ぶんじゃないかってくらい盛り上がっていた。今回も同じことを期待しているよ」 ──2023年7月のジェイリン・ターナー戦以来、1年1カ月ぶりの試合ですが、試合に向けたコンディションはいかがですか。 「体調は良いよ。体は100%の状態だ。この1年でいろんなことがうまくいったと感じているから、それを試合で見せるのが楽しみだ」 ──タトゥーを入れる以外に、この期間はどう過ごしていました? 「タトゥーを入れるのが大半の時間を占めてたけどね(笑)。でも、実はジムにも行っていたんだ。一般的なイメージと違って、怪我をしても完全にトレーニングを止めるわけじゃない。そうしないと何もできなくなるからね。だから、ジムには通っていたよ。トレーニングキャンプにも行ったしね。ボビー・グリーン戦(※2023年12月に予定も欠場)のときは、試合の1週間前にまた腕を骨折してしまったんだ。それでもキャンプはしっかりとやっていた。みんなに試合を見せることはできなかったけど、ちゃんとトレーニングはしていたんだ。だから、今はただワクワクしているよ」 ──上位ランカーのマテウス・ ガムロは望んでいた相手では? 「彼の名前の隣にある、あのセクシーな数字(※ランキング5位)が大好きなんだ。それを狙ってるよ。本当に大変なトレーニングキャンプだったからね。この6週間、みんなが(レスリングで)足に飛びついてくる感じだったんだ。正直、楽しいキャンプとは言えないけど、殴られることは少なくなったから、それは悪くないね」 ──ガムロに勝てば、あなたが何年も対戦をアピールしてきたファイターたちも、無視できなくなる? 「その通りだよ。これで状況が一変すると思う。この階級のビッグネームたちはみんな、最近試合に負けている。シャーウス・ オリベイラ、ダスティン・ ポイエー、ジャスティン・ ゲイジー、マイケル・ チャンドラー……彼ら全員が俺の持っているもの、つまり3連勝というステータスに飛びつくはずだ」 ──10年近くUFCに在籍していて、ベテランだと感じていますか? 「確かに、俺はすごく若いときにUFCに入ったんだ。10年前、UFCに入ったのは24歳になったばかりの頃で、当時は決して完成されたファイターではなかった。だから、ビッグショーの中で自分の成長を遂げなければならなかったし、世界最高のファイターたちと戦いながら、自分の成長を見つけていく必要があった。いろいろと新しいことを試しながらやってきたんだ。 ある試合ではサウスポー、ある試合ではオーソドックス、また別の試合ではレスリングを使って、いろんな武器を試してきた。でも、それは避けられないことだった。もしUFCに入ったときに、自分のスタイルを変えずに、そのまま前進あるのみのファイターでいようとしたら“最も愚かな6フィート(183cm)のライト級ファイター”になっていただろう。ずっと新しいことに取り組んできて、今は全てがまとまって、ついに完成した姿を見せられる状態になった。この1年で、ようやく自分が上達したと感じているんだ。だから、引退なんてことは考えられないよ。せっかく上達したのに、ここで辞めるなんて、全然意味がない」 ──キャリアで転機となった試合は? 「全部だね。新しいことを試したり、いろいろなものを試してきたけど、レベルは確実に変わったと感じている。現在の若手たちは完全にオールラウンドなファイターでレベルが高い。10年前のただの突進型のストライカーだった俺なら、今ではUFCに入ることさえできないと思う。この10年間でレベルが飛躍的に成長しているよ」 ──SNSで拡散されているラグビーの試合で、なぜ男に飲み物を投げつけたんですか。 「俺はめちゃくちゃ熱心な(ニュージーランド)ウォリアーズのサポーターで、その日は試合に招待してもらったんだ。でも、パラマタ・イールズのファンの男が、俺たちにずっと嫌味を言ってきたんだ。試合開始から20点差くらいで負けてて、そのたびに彼が煽ってきたから、俺も言い返したんだ。試合中ずっとお互いに罵り合ってて、久々に試合で楽しい時間を過ごしてたんだよ。 彼がまた煽ってきたとき、普段なら靴を投げるんだけど、その時はティンバーランドのブーツを履いていたんだ。投げたら靴が無くなってもったいないから(笑)、代わりに飲み物を投げたんだよ。彼からメッセージが来て、『一緒に写真撮りたかったのに、どこ行った?』って言われて、俺が『帰れって言ったから帰ったんだよ』って返したんだ。でも今は彼をフォローしてるし、次の試合も一緒に行ってお互い煽り合うつもりだよ。素敵な話だろ?」 ──敵対するファンとも友達になったのですね。さて、今回の試合前にUFCと新しい契約を結んだでしょうか。 「結んだよ。たくさんのお金も手に入った」 ──以前に、ベアナックルファイトが将来の選択肢になるとも言っていましたが、それは先延ばしになる? 「結局のところ、UFCは大きな舞台なんだ。他のどこで戦おうとも、どれだけお金をもらえるとしても、UFCで最高のファイターたちと戦うことが自分が望むことなんだ。それは変わらないよ。ベアナックルファイトは40歳になってからさ。それが俺の引退後の計画なんだ」 ──将来的に、ダン・フッカーはMMA史でどのようなファイターとして記憶されたいですか。 「そのことについてはあまり気にしていないよ。人が自分をどう思うかはコントロールできないからね。『ダン・フッカーとは誰か?』と1000人に聞いたら、1000通りの答えが返ってくるんじゃないかな」 ──ガムロは「エキサイティングな試合をしなければならないことを理解している」と言っていました。彼が自発的にスタイルを変えて、エキサイティングな試合にすると思う? 「絶対に違うね。俺がエキサイティングにするんだ。だからこそ、この試合が組まれたんだよ。マッチメーカーは『誰がガムロでもエキサイティングな試合にできるか』を考えて、俺だったんだ。アクションボタンを押すのは俺だよ」 ──10年のキャリアで良いときもあれば悪いときもありました。特に低迷しているときに、何があなたを支えた? 「いまは使命感があるんだ。何を成し遂げられるかを自分で理解できていて、それを証明できるのは俺だけなんだ。ここまで来たのに、ここで止まるわけにはいかないよ。今ブレーキをかけるわけにはいかない。車輪が外れるまで進み続けるよ」 ──10年前の自分に伝えたいことは? 「もっと大きな夢を持つように。ニュージーランドやオーストラリアでのMMA、そしてUFCが今のレベルまで成長するなんて、全く予想していなかった。UFCに入る数カ月前まで、ニュージーランドのジムで練習して、UFCの契約を得ることが可能だなんて思ってもいなかったよ。今の状況を見ると、オークランドで3回もUFCイベントが開催されて、ニュージーランド出身のチャンピオンまで誕生した。こんな展開、当時は全然予想していなかった」 ──今の夢は? 「ベルトだよ。だって、PPVの分け前がもらえて、大金も手に入るからね」 ──13カ月、今回がキャリアで最も長い休養期間となりましたが、どんな影響があるでしょうか。 「時間を置くことで、視点が変わるんだ。間違いなく、この瞬間のすべてがありがたく感じるよ。長い間食べていなければ、誰でも腹が減るもんだ。特別な理論なんてないよ。俺はただ、長い間戦っていないだけで、飢えている状態だ」 ──今回の『UFC 305』の最後の対戦カードの発表があなたでした。対戦相手が決まらず苦労した? 「俺はただこの大会に出場したいと思っていたんだ。誰でもいいから、この大会で戦わせてくれってね。一番強い相手を見つけてくれって言っておいたよ。もちろん、ベニール・ ダリウシュ含め、いろんな人が俺にタグ付けしてきた。誰だってこの舞台で戦う準備はできているんだ」 ──この大会に出場するシティ・キックボクシングのチームメイトーが全員が勝利すれば、どう感じるだろう? 「前にも実現したんだ。3人全員が同じ夜に勝利したことがあって、確かメルボルンで俺、ブラッド・リデル、イズラエル・アデサニヤが全員勝利を収めたんだ。その感覚がどんなものかは知っている。でも、これはすべてが一瞬の判断で左右される戦いだ。どんな結果になるかは分からないんだ」
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