どうなる「ホンダx日産」まさかの「エリシオンxエルグランド」「e-POWERxe:HEV」はあり得る? 2社の「研究開発機能の統合」検討で期待膨らむ…今後の行方
さてホンダ・日産の関係はうまくいく? 相手に惚れた理由は曖昧だったが…
ホンダ、日産、そして三菱が経営統合に向けた協議を始めました。 2024年12月23日に都内で行われた3社合同記者会見を現地で取材したのですが、最も驚いたのは「研究開発機能の統合」という部分です。 【画像】「えっ…!」 これが未来の「ホンダ・ミニバン」? 画像を見る! ユーザーにとって、その影響は少なくありません。
今回の発表では、「本経営統合により想定されるシナジー効果」として7項目を挙げていますが、そのうちのひとつが「研究開発機能の統合」です。 ホンダ社員の視点でみれば「さらにまた、大規模組織再編なのか!」と思うでしょう。 ホンダは2020年4月に、四輪事業運営体制を大きく変更したのですから。 具体的には、本田技術研究所における量産車開発を丸ごと、本田技研工業(ホンダ)の四輪事業本部に移管させました。 その後も本田技術研究所は継続していますが、新たなモビリティやロボティクス、そしてエネルギーなどの新価値製品や技術の研究開発にリソースを集約しています。 ホンダ創業者の本田宗一郎氏が築き上げた、技術部門を本社と完全独立させるというホンダ独自の経営体制を、時代の流れを受けて抜本的に変更した形です。 こうした、ホンダの四輪事業本部と本田技術研究所が、神奈川県内にある日産の総合研究所と日産テクニカルセンターを含めて統合を検討するということです。 さらには、北米などグローバルでの研究開発拠点も統合の対象になります。 日産の技術者にとっても、今後の組織体制が大いに気になるでしょう。 ホンダと日産は3月に「電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書」を提携しています。 続く8月には、そうした関係から「次世代SDVプラットフォームに関する基礎的要素技術の共同研究契約」を締結するなど、段階的に2社の研究開発部門が近づいてきました。 それを今回「本経営統合後においては、これら(次世代SDVや次世代EVなど)の領域に限らず、基礎研究・車両適用技術研究等を含めた研究開発機能全体」での統合を協議するとしています。 「重複開発を統合することで開発費も削減する」という、研究開発領域における本気の「リストラクチャリング(リストラ)」に踏み切る構えです。 こうなると、ホンダと日産で「重複開発」されているどの分野のどの技術が統合され、それがどのようなモデルとして登場するのか、ユーザーとして気になるところです、 まずは、ハイブリッドです。 2社のこれまでの動向を振り返れば、日産にとってハイブリッドの導入が急務である北米市場向けに、ホンダの次世代e:HEVを採用することは、ほぼ決まりと言ってよいのではないでしょうか。 ホンダが2024年12月中旬に栃木県内の自社施設で開催した「次世代e:HEVに関する事業・技術説明会」で公開された、次世代プラットフォームと排気量2.0Lエンジン搭載の中型・次世e:HEVが、その候補となることは間違いないでしょう。 「アコードxアルティマ」や「CR-Vxエクストレイル」という相互補完がイメージできます。 では日本においては、売れ筋であるミニバンや軽自動車をどうするのか。 ミニバンについては、現時点で次期「エルグランド」登場の噂がありますが、経営統合となると仕切り直して、「エリシオン復活x次期エルグランド」となるのか。 それともこうしたモデル融合は、次のフルモデルチャンジ期になるのか、気になるところです。 軽自動車については、三菱がホンダ・日産連合の経営統合に向けた協議参加を決断した段階で、日産・三菱による合同企業NMKVが解散に向けた準備に入ることが考えられます。 量産効果で見れば、次世代Nシリーズが次世代日産・三菱の軽自動車全体をのみ込むが予想されます。