<私の恩人>劇団ひとり、上島竜兵さんには一生かなわない!
最初、竜兵さんに呼んでもらった頃は本当に仕事もお金もなくて、行きの電車賃しかないけどとにかく駆けつけて、帰りは竜兵さんにもらうタクシー代で帰るなんてことも多々ありました。そんな具合なので、お酒を飲ませてもらうこと自体がありがたく、仕事の面でもずいぶん助けていただきました。 というのは、たまにテレビに出してもらう機会に、スタッフさんと話す話題ができたんですよね。スタッフさんも、ほとんど接点のない僕たちをどう扱っていいのか困るわけです。何を聞いていいのかも分からないし。そんな時に、竜兵さんと仲がいいとなると「普段、竜兵さんって、どんな人なの?」とか「どんなところで飲むの?」とかいう話になりますよね。さらに、竜兵さんって“エピソード銀行”なんです。一緒にいると、どんどんエピソードが貯まっていくんです(笑)。その“貯金”を出すことで、ずいぶん助けてもらいました。 僕が一番好きなのは、僕が奥さん(大沢あかね)と婚姻届を出した時に、竜兵さんに保証人になってもらった時の話です。婚姻届には保証人が2人必要で、奥さんは(祖父である故)大沢(啓二)親分にお願いしたんですよ。だったら、こっちも自分の親分である竜兵さんにお願いするしかないと思って、お願いをしたんです。 そして、サインとハンコをもらうために、南青山にあるお店に来ていただきました。奥さんや他の芸人も呼んでみんなでご飯を食べながらサインをしてもらったんですけど、普段は竜兵さんにおごってもらってるものの、さすがにその日は竜兵さんに保証人をお願いして来ていただいているわけですし僕が全部払おうと決めていました。そして、竜兵さんがトイレに行ってる間に、こっそりお会計をしたんです。 その時が初めてでしたね。竜兵さんに真剣に怒られたのは。顔を真っ赤にして「こんなめでたい日に、自分で払うバカがいるか!!」って。それで、領収書を出せって言うんです。南青山のいいお店だし、結構な額だったんですけど、値段を見て、竜兵さん「…今度から気をつけろよ」と領収書を僕に返したんです。てっきり払ってくれるのかと思いきや…。竜兵さんって、まさに、そういう人なんです(笑)。