“初参戦”の行方尚史九段が決勝進出!永世棋聖資格保持者の佐藤康光九段との大激戦制する/将棋・達人戦
将棋の第2回達人戦立川立飛杯準決勝第2局が12月4日、東京都立川市の「立川ステージガーデン」で行われ、行方尚史九段(50)が佐藤康光九段(55)に141手で勝利した。この結果、行方九段の決勝進出が決定。午後5時15分から行われる決勝戦では、前回準優勝の丸山忠久九段(54)と“二代目達人”の座を争う。 【映像】盤上で飛び散る駒…白熱の終盤から終局の瞬間 互いの主張をぶつけ合う究極の大熱戦は、行方九段が制した。注目の準決勝は、後手の佐藤九段が準々決勝の木村一基九段(51)戦に続きダイレクト向かい飛車を採用。得意戦法で本棋戦初参戦の行方九段に向かった。一方、予選突破の勢いそのままに、準々決勝で“初代達人”の羽生善治九段(54)を撃破した行方九段は筋違い角を打って対抗。ぐんぐんと前進してポイントを稼いでいった。 後手の堅陣に向かって、行方九段は強気の攻めの手を重ねていく。先手の主張が通ったかと思われたが、百戦錬磨の佐藤九段は簡単には倒れない。強靭な耐久力で行方九段にプレッシャーをかけ続けた。スリリングな終盤では佐藤九段の剛腕さく裂かと思われたが、行方九段が耐えに耐えてフィニッシュ。大激戦を制し、勝利を飾った。 勝利した行方九段は、「途中は優勢を意識していたが金打ちのあたりから訳がわからなくなり、気がついたら佐藤さんの怪力にねじこまれそうになり最後は負けも意識していた。まだまだ鍛えが足りない。何が何だかわからなかった」とコメント。激闘の疲労をにじませつつ、「今回、羽生世代の錚々たる面々とぶつかってきたので、その勢いで行きたい」と決勝戦への意気込みを語った。 一方、佐藤九段は「行方さんにぼやかれましたが、私の方が100倍くらいぼやきたいくらい…(笑)。最後、詰みが見えていなかったのは実力。終始押されていたと思う」とし、ベスト4で今期の大会を終えた。 この結果、第2回決勝は丸山九段と行方九段のカードに決定。“二代目達人”となるのはどちらか。決勝戦は同日午後5時15分から予定されている。 達人戦は、2024年4月1日付で満50歳以上の現役棋士に参加資格が与えられている。第2回大会は53人とシード棋士4人の合計57人が出場。「達人」の称号を目指し、熱い戦いが繰り広げられている。本戦の持ち時間は各30分、切れたら一手30秒未満。先手・後手は振り駒で決定する。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部