ふるさと納税をして「自主増税」の憂き目に…年末ぎりぎりでふるさと納税をする人はとくに注意したい手続き
テレビでも頻繁に宣伝され、年々身近なものになってきた「ふるさと納税」。FPの橋本絵美さんは「返礼品がもらえるなど、お得なイメージがあるが、なんとなくやっていると失敗する」という――。 【この記事の画像を見る】 ■ふるさと納税を失敗するとどうなるのか だいぶ浸透してきたふるさと納税ですが、よくわからないまま何となくやっているという人もまだまだいるようです。ふるさと納税はとてもお得な制度ですが、なんとなくやってしまうと後悔することになります。どんな落とし穴に気を付けるべきか、解説します。 0.まずは、ふるさと納税とはどんな制度かをおさらい ふるさと納税は自治体への寄附に対して寄附金控除を受けることができ、更にお礼の品が貰えるというお得な制度です。寄附した金額のうち2000円は自己負担となりますが、上限額までであれば全額が控除の対象となります。寄附したお金が返ってくる(控除される)にもかかわらずお礼の品がもらえるということでふるさと納税は人気の制度となっています。 1.テキトーにやって損する人 上限額より多く寄附をしてしまう ふるさと納税で控除を受けることができる金額には上限があります。上限は納税者本人の所得やその他控除等によって異なります。上限額を確認せずにテキトーにふるさと納税をして、上限額より多く寄附をしてしまうとどうなるのでしょうか。 上限額を超えて寄附をした場合でも返礼品は受け取ることができます。ただし、上限額を超えた分については控除されないので、自己負担が増えることになってしまいます。自ら増税を選んでしまうという残念な結果になるのです。 2.テキトーにやるともったいない 少しだけ寄附する人 ふるさと納税は上限額までの寄附であればいくら寄附しても自己負担2000円です。試しに1万円だけ寄附をして3000円相当(寄付額の3割相当)のお礼の品を貰った人は、自己負担2000円を差し引くと、1000円しかお得になりません。 もし、上限額が5万円だとしたらどうなるでしょうか。5万円寄附をして、1万5000円相当(寄付額の3割相当)のお礼の品を貰えば自己負担2000円を差し引いても1万3000円お得ということになります。ふるさと納税をするなら上限額までの寄附をしないとちょっともったいない気がしませんか? 3 自分の住んでいる街にふるさと納税をしたらどうなるか ふるさと納税をすると住んでいる自治体の住民税が減ってしまうことから、住んでいる自治体にふるさと納税をしたらいいのではないですか? と聞かれることがあります。もちろん住んでいる自治体に寄附をしても寄附金控除は受けることができます。ただし、お礼の品は貰うことができないので、その点だけご注意ください。お礼の品が貰えないのであれば通常の住民税の納付と変わらないことになるので、ふるさと納税はしないという選択でよいでしょう。 4.ふるさと納税しただけで、控除のための手続きをしなかった ふるさと納税をして、お礼の品をもらったらそれで満足! してしまった方もいます。寄附金控除を受けるためには手続きが必要です。確定申告またはワンストップ特例制度の申請をしなければいけません。お礼の品をもらって満足してしまうと、高い商品を購入しただけになってしまいます。必ず手続きまで完了してください。