コーチングの実技試験で大事なこと 【原文】The Elusive Recording
クライアントと合意する
コーチングはパートナーシップである。つまり双方がシンクロしながら取り組むプロセスである。クライアントがこのプロセスに自然に入るためには、彼ら自身がコーチングとはどういうものなのかを知っていなければならない。ゲームの基本的なルールを知らずにプレーできる人はいない。最初のセッションでは、まずコーチングプロセスで期待していることを説明することが大切だ。そのときに私が開発したPRIME MODELの基本的な考え方を共有することもできるだろう。ただし、説明しすぎてクライアントがかえって萎縮してしまわないよう注意すること。これはあくまで概要であり、コーチングのトレーニングではない。クライアントには、つねにセッションには合意が必要であり、最後にはアクションプランが必要であることを伝えればよい。そして、これらすべては発見と探索のプロセスの中で行われるということも。 クライアントには、コーチから多くのことを質問されること、セッションという大変な取り組みを行うこと、また事前準備や振り返りも期待されていることを認識してもらう必要がある。何の説明もなく相手がこのプロセスにうまく参加してくれると思うのは間違いだ。
倫理面については簡潔明瞭に
継続的にコーチングを行う相手とのセッションを録音するため、ICFとしては、この録音についてコーチとクライアントとの間で包括的な合意が成立しており、倫理面の諸事項についても十分に対応済みであることを前提としている。コーチはセッションの冒頭で倫理に関わる免責事項を事細かに説明する必要はない。セッションでも毎回このような説明はしない。セッションを録音する場合も同じだ。この場合は、録音の開始時か終了時(あるいは両方)に「このセッションの録音にご協力いただきありがとうございます」と言うだけでよいと思う。これによって、クライアントが録音について承知していることを的確かつ簡単に示し、クライアントが自分で会話をコントロールできる状態でセッションを開始することができる。