社会保険の適用拡大が10月1日に迫る。最低賃金の増加にも注目を
社会保険の加入はデメリットだけではない
社会保険に加入すると手取り額が減少するため、「社会保険の加入はマイナス」と捉える人も多いのではないでしょうか。 しかし、社会保険の加入にはデメリットだけでなく、多くのメリットも存在します。 ●傷病手当金・出産手当金 たとえば、健康保険に加入することで、病気や出産を理由に会社を休んだ場合、手当金（傷病手当金または出産手当金）を受給できます。 傷病手当金・出産手当金はどちらも、一定期間中は給与の約3分の2の金額が支給されるため、就労ができない期間中の家計を大きく支える役割を果たします。 ●年金の増額 さらに厚生年金保険に加入することで、老後に受給できる年金額が増加します。 たとえば、年間給与が120万円の場合、厚生年金保険に25年間継続加入すれば、年金を年間14万9200円増額させることが可能です。 短期的な視点では、社会保険の加入はマイナスに感じられるかもしれませんが、長期的には「医療面」と「年金面」で大きな恩恵を受けられるでしょう。 2024年10月からの社会保険の適用拡大で、新たに加入の対象となる方は、今一度「社会保険のプラス面」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
自分は加入の対象か確認しておこう
本記事では、間もなく実施される「社会保険の適用拡大」について詳しく解説しました。 2024年10月から社会保険の適用が拡大されるため、これまで社会保険への加入が不要だった人も、10月以降は加入義務が生じる可能性があります。 また、同時期に全国的な最低賃金の引き上げも実施されるため、年収の上限を意識して働いている方は注意が必要です。 上記をふまえ、今一度10月以降に自分が社会保険の加入対象になるかどうかを確認しておきましょう。
参考資料
・厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」 ・厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」 ・厚生労働省「社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について」 ・厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」
太田 彩子
