【電子版限定】女子ゴルフ竹田の年間女王、やはり「王国・熊本」!! 叔母の平瀬、不動、上田、古閑…歴代女王の系譜 出身県別の優勝回数は断トツの「152」
女子プロゴルフの竹田麗央(国府高出)が、今季国内ツアーのポイントランキングで「年間女王」に輝いた。熊本県出身者が女王のタイトルを獲得するのは、2008年の古閑美保以来16年ぶりの快挙。これまで数々のトッププロを輩出してきた王国熊本の健在ぶりを印象づけた。 年間女王の決定方法は22年、従来の年間獲得賞金で順位を決める方式から、大会の格式や順位に応じてポイントが配分される形に変更された。熊本ゆかりの選手の戴冠はツアー制度が導入された1988年以降、竹田で6人目となる。 県勢で最初に達成したのは、竹田の叔母に当たる平瀬真由美だった。93年に3勝を挙げ、年間トップ10入りはランキング1位の17回をマーク。8147万円を獲得して女王の座に就いた。94年にも4勝、6981万円で「2連覇」した。 熊本出身で2人目は、不動裕理。2000~05年に6年連続で女王に君臨する偉業を成し遂げた。03年には年間10勝を挙げた。今より試合数が少なかった時代に打ち立てた最多記録で、今も破られていない。国内通算優勝回数は50で、69勝の樋口久子、58勝の涂阿玉に次ぐ3位につける。
不動の7連覇に待ったをかけたのは、熊本ゆかりの大山志保だった。宮崎県出身で、中央女子高=現熊本中央高=に進み、不動と同じ清元登子プロに師事した。女王に輝いた06年は5勝を挙げ、賞金計1億6629万円で獲得額のツアー記録を塗り替えた。 07年に存在感を示したのは、今季で第一線を退いた上田桃子。ライフカードレディス(熊本空港CC)でツアー初優勝を飾って勢いづくと、年間5勝をマーク。当時の史上最年少記録となる21歳156日で、賞金女王に輝いた。今季、地元の大会でツアー初優勝を飾って飛躍を遂げた竹田も21歳。2人がスターダムを駆け上がった過程は、似通って見える。 女王の座は、不動から数えて9年連続で熊本県関係選手が独占した。08年にタイトルを手にしたのは古閑美保だった。3勝を挙げて迎えた最終戦のツアー選手権リコー杯で逆転優勝。女王争いも最後に賞金2500万円を積み増して1億2085万円とし、わずか120万円差で2位の李知姫を逆転した。古閑らしい勝負強さが光る戴冠劇だった。
ゴルフ王国熊本を裏付けるデータは、ほかにもある。日本女子プロゴルフ協会の資料によると、熊本出身で国内ツアー優勝経験者は歴代女王に加えて、有村智恵や高村亜紀、笠りつ子ら計13人いる。 通算優勝回数は152(不動50、平瀬18、上田16、有村14、古閑12、高村10、竹田8、清元7、笠6、浜田光子4、一ノ瀬優希3、大里桃子3、平尾南生子1)。都道府県別で唯一3桁を超えており、他を圧倒している。(萩原亮平)