SNSで「死ねばいいのに~」 女子中学生が池袋暴走事故の遺族に なぜ子どもたちは誹謗中傷に走るのか
ネットやSNSを使った誹謗中傷は、子どもたちにも広がっている。東京・池袋で起きた車の暴走事故の遺族・松永拓也さんに、殺害予告メールを送ったのは女子中学生だった。なぜ子どもたちは誹謗中傷に走るのか。AERA 2024年12月23日号より。 【写真】「女子中学生が送った心の傷をえぐるメールの中身」はこちら * * * 「死ねばいいのに~」 「殺してあげよっか?笑」 送られてきたのは、女子中学生からの殺害予告メールだった。 「交通事故を一つでも減らしたいと思い、この5年間、命の尊さを訴えてきました。だから『死ね』とか『殺す』という言葉を使った女子中学生のことを考えた時、私自身もかつて娘を持った父親として悲しかった」 松永拓也さん(38)はそう話す。 2019年4月、東京・池袋で起きた車の暴走事故で、松永さんは妻と娘を亡くした。以来、2人の命を無駄にしないという思いから、交通事故防止をSNSなどで訴え始めた。すると、誹謗中傷や脅迫など様々なコメントが届くようになった。だが、今まで送ってきた人の中に未成年はいなかった。今回、松永さんが所属する「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」などに殺害予告メールを送ったのは中学3年生、14歳の女子生徒だった。 ■女子中学生と聞き驚き 当初、松永さんはメールの差出人が未成年とは知らず、怖くて1カ月近くほとんど外出できなかった。警察から差出人が「女子中学生」だと聞かされ、驚きと戸惑いを感じた。 「すごく悩みましたが、彼女には未来があります。未来ある子どもが、成長していってより大きな過ちを犯さないよう、私は先人として毅然とした対応を取ることが重要だと考えました」 松永さんは警察に被害届を提出した。11月下旬、女子生徒は脅迫と威力業務妨害の疑いで書類送検された。任意の調べに対し女子生徒は、「私的な悩みがあり、脅迫メールを送れば、警察が動き、相談に乗ってくれる場所を紹介してくれると思った」という趣旨のことを話し、反省しているという。