筋トレは「ゆっくり、下ろす」ことが重要!理学療法士が提唱する簡単“3秒筋トレ”で目指せ太らないカラダ
キモは「ゆっくり」「3秒」「下ろす」
そうはいっても、「ジムに通っても思うように効果が出なかった」という人もいるだろう。そんな人にも勧められるという“3秒筋トレ”とは何なのだろうか。 「一言で言えば、3秒かけて、ゆっくり、『下ろす』動作をすることです」と中村さん。 え、それだけ?シンプルすぎる説明にさらに疑問がわいてくる。まず、なぜ「下ろす」なのか。 「筋肉は、何かを持ち上げる時に縮み、下ろす時に伸びます。そして、伸びる動きをする時のほうが刺激が大きくなるのです」 例えば、ダンベルを持ち上げるときよりも下ろす時、階段を登る時よりも、降りる時のほうが筋肉に負荷がかかるという。 そこで、「下ろす」動作を丁寧にやることにポイントを置いたのが“3秒筋トレ”だという。 たしかに、階段や坂道は下りのほうが膝に負担がかかるし、年配の人は「階段を下りる時のほうが怖い」とよく言う。しかし、本当にたった3秒で効果があるのだろうか。 「はい。実験で効果が出ていて、2022年に論文で発表しています」 その実験とは、学生たちに、全力で「ひじを曲げる(上げる)」「曲げたひじを伸ばす(下ろす)」「ひじは動かさずに力を入れる」という動作を1日3秒間、週5日、4週間やってもらうというもの。 その結果、「曲げたひじを伸ばす(下ろす)」のグループだけが筋力が上がったのだ。しかも、最大12%も筋力がアップした。この実験は米国の日刊紙「ニューヨーク・タイムズ」にも取り上げられたという。
基本の「椅子座り」のやり方
理論を理解したところでいざ実践へ。 “3秒筋トレ”には10種目あるが、基本となる「椅子座り」のやり方を紹介する。 1)食卓用などの椅子を用意。座った時に膝が90度くらいに曲がる高さのものがオススメ。キャスターなしで、ぐらつかないものを選ぶこと。 2)椅子から少し離れて、両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。両腕を胸で組む。この時、背筋を伸ばし、胸を軽く引き上げる。 3)「1」と声に出してカウントしながら、膝が90度ほど曲がるところまでお尻を下ろす。この時、目線は2mほど先の床に向ける。また、背中が丸まらないように注意する。 4)「2、3、4、5」とカウントしながらお尻をゆっくり座面すれすれまで近づける。お尻が座面に近づいたら最初に戻り同じように10回繰り返す。 一連の動作は呼吸を止めずに行うことが大切。10回を1~2日おきに週に3日以上行うことで筋力アップが期待できるという。 「3秒なのに5カウントなの?」と突っ込みたくなった人もいるだろう。その理由は、「ゆっくり5カウントすると、ちょうど3秒くらいになるのです」とのこと。