児相の実態「生々しく把握してほしい」 千葉県提訴の元職員、異例・2万5000字超の陳述書で訴え
子どもたちにとってもいい環境とは言えず
さらに、子どもたちにとってもいい環境とは言えなかったとも指摘している。19年5月以降、定員の2倍にあたる40人前後が保護されていることが常態化し始めたという。感染性胃腸炎が流行っても、人員不足のため職員が抜けられず、午前と午後に1人ずつしか子どもを病院に連れていけないこともあったとしている。 ほかにも、一時保護所の厳しいルール、子どものケアをしたいのに十分にできていないことへの葛藤、次第に不眠が続くようになったことなどがつづられている。 陳述書の最後には、仕事にはやりがいもあったことも記載されており、「労働環境をよくすることで職員を守り、よりよいケアを届けることで、その子供たちが大人になったときに、もし児童相談所で働きたいと思った子が健全に働けるような職場であるために、提起している」との、飯島さんの裁判にかける思いもつづられている。
「県に動いてもらえるようアクションしたい」
22年7月21日の提訴から2年4か月。飯島さんの思いは――。 飯島さんは、24年4月に一時保護所の運用に関する全国統一基準が設けられたことなどに触れ、児相の全体の環境改善は進んでいるとしつつも、千葉県ではなかなか進まないと話す。問題提起はやり切ったとし、今は職員の労働時間などについて県が認めるフェーズだとした。「県に動いてもらえるようアクションしたい」と話した。 県が裁判で提出した準備書面によると、県は、昼休憩時間について、子どもたちとの食事の時間とは別に取得することになっていたと主張。また、夜間勤務の実態については認めているものの、突破的な事態の頻度について飯島さんの主張を認めていない。飯島さんの勤務していた一時保護所において「夜間勤務が過重な勤務というわけではない」などと主張している。 県児童家庭課は27日、J-CASTニュースの取材に、「係争中でありますため、コメントは差し控えさせていただきたい」とした。